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玖珠町って「すごくちょうどいい田舎」

玖珠町の行政の熱量は高いと石黒さん。彼の落ち着いた雰囲気の中から発せられる言葉にも同じような熱さが詰まっていて……

石黒:玖珠町はやってみよう精神が強いんですよ。人口が減っている、こどもが減っている。でも維持するための働きかけに前向きに取り組んでいます。

玖珠町から離れる気は全くないと話す石黒さんに、その魅力を聞いてみると……

石黒:企業誘致の仕事をしている頃から考えているんですけど、なかなかうまい言葉が見つからないんですよ。水が合うという感覚なんですね。ただ、移住という視点で言えば「すごくちょうどいい田舎」。玖珠町の中だけでも生活に困らないし、自然も豊かだし、選べばもっと自然の中へ行ける。病院に行くのが遠いとかがあるとちょっと考えてしまうかもですが、玖珠町は基本的な生活に不自由がない環境です。仕事の関係上、九州全域はもちろん大都市圏への移動も多いのですが、福岡へ出るのが大変便利な場所であることもこの地が気に入っている理由。

まずはふるさと納税によって玖珠町の地域経済が活性化されることが直近の目標とのこと

自然な人との繋がりを感じられるのも魅力になっているとも。

石黒:やはりコミュニケーションは大事。プロアスリート時代は基本的に都市圏での暮らしでしたが、その時には感じられなかった感覚を久しぶりに体験しました。僕は愛知の田舎育ちですから、町の人と会って、見かけたら話しかけてくれるという当たり前のことが、玖珠町でも当然のこととして行われていて。これこそ残さなければいけないことだなぁ……と思っています。

あえて困ったことを伺うと……

石黒:あまりないんですよね。一つ挙げれば家賃が思ったよりも安くないこと。というか単身用の物件が少ない。自衛隊の駐屯地があったりもして、ファミリー用が多いからですかね。それと、夏はめちゃくちゃ暑くて、冬はめちゃくちゃ寒い。日本で一番気温が高くなる日田市の隣ですから。冬も年に数回しっかりと雪が降ります。近くにスキー場もあるし。雪が降ったら諦めてその時を楽しむ感覚でいられることは、玖珠町に移住してからの変化ですね。

伐株山 はパラグライダーの基地として多くの愛好者が訪れる場所

“移住”がより夢あるものになるように

最後に、石黒さんの移住とは……を伺ってみると。

石黒:自分に合った場所を見つける旅みたいな……。自分の場合はプロフットサルプレーヤーとして移籍を経験していることが大きいですね。チャレンジとか移住ということにハードルが低い人間だと思います。そこに居続けなければ……という感覚ではなくて、お試しみたいな感じでも行くことができる。行政によってはたとえばお試し移住とかいろいろな移住体験が用意されてもいますし。あまり構えずに、旅に来て、いい居場所だから……というきっかけだっていいし。ダメなら次!……と思う。ただ、移住先に大きな夢というか想いは持っていていいじゃないですか。

企業誘致によって玖珠町で事業展開されている企業と住民との接点がまだ作れていないのが今後の課題という石黒さん。各企業がよそ者にならないよう、そこを結びつけること、それによって玖珠町の雇用拡大にもつなげていきたいと語る。その言葉には移住者であるという意識の以前に、玖珠町の住人としての矜持が明確に芽生えている。玖珠町出身で「夕焼け小焼け」の口演童話家・児童文学者である久留島武彦が使い始めたと言われる言葉「継続は力なり」。石黒さんの移住という玖珠町での旅は、この言葉のように石黒さんに大きな力を与えることになるだろう。

写真:児玉晴希
編集、執筆:エディトリアルストア
※令和6年11月13日現在のものです。
※敬称略

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おとなの週末Web編集部
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