移住先での新たな一歩
元アスリートの仲間も増やしていきたいのだそう。
石黒:アスリートは社会経験がどうしても薄くなってしまうんです。ですから協力隊にもっとスポーツ選手を採用してもらいたいと考えています。自身のセカンドキャリアへの道として経験を積むということもありますが、同時に応援してもらった人間が、今度は応援する側になるんです。大分のチームに所属して、別チームに移籍したとしても今度は大分の町おこしのために帰ってきた……なんていいじゃないですか。元選手が町おこしで戻ってきたということで、その町がフォーカスされるだけでも十分町おこしの一つになっているし。すでに一人、大分で一緒にプレーしたチームメイトが協力隊に参加しています。彼は玖珠町のデジタル地域通貨発行に向け奮闘中なんですよ。
次のステップへ踏み出した石黒さん。その新たな思いとは……。
石黒:実は今年9月末で協力隊を辞任しました。次へのステップです。協力隊でメインの仕事としてやってきたのが企業誘致でしたが、その誘致した一つ、玖珠町のふるさと納税事業に参画する会社に転職しました。これまで行ってきた地域おこしを行う事業者と玖珠町を繋ぐ側から、事業者として玖珠町の地域おこしを行う側になります。転職先の代表とは当初、スポーツツーリズム的な事業のアドバイザーという立場での関係を考えていたのですが、それも合わせて玖珠町の魅力を全国へ知らしめていこうと。玖珠町は小学生のサッカーが強かったり、スポーツ施設が充実しているので、スポーツを通して玖珠町に人が集まるようになればという思いがあります。
協力隊として移住1年で転職。職場こそ変わることになるそうだが、玖珠町への想いがますます熱くなっているそうだ。
石黒:確かに所属する組織は変わりますが、仕事のベースとなる空間は変わらないんですよ。廃校になった中学校をサテライトオフィスに整備してあり、そこが私の“地域おこし協力隊” としての活動のベースなのですが、誘致した企業もオフィスをそこに置いているんです。現在7社が入っています。僕の転職先もあります。関わり方こそ違っていますが、玖珠町と繋がっていくことに違いはありません。