旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■飲み過ぎたら
正解:シジミ
難易度:★★★☆☆
絶滅危惧種も……
シジミは、シジミ科に属する小型の二枚貝の総称で、淡水域や汽水域に生息しています。世界には、120以上の種類のシジミが生息していますが、日本に生息しているのは、淡水にすむマシジミ、汽水域にすむヤマトシジミ、琵琶湖にすむセタシジミの3種類といわれています。
国内で流通しているシジミのほとんどがヤマトシジミとなっています。
北海道から九州までの汽水湖や河口域で採取されていますが、とくに有名なのは、島根県の宍道湖(しんじこ)で、全国のシジミ漁獲量の4割以上を占めています。
宍道湖でとれるシジミはヤマトシジミで、大粒で良質なことで知られ、「宍道湖シジミ」「舞音(まいね)」などというブランド名を冠して流通しているものもあります。
島根県では古くから欠かせない食材のひとつで、「シジミ汁」は島根県の郷土料理とされています。また、大粒のシジミは佃煮にしても美味です。
ほかに、北海道の網走湖(あばしりこ)、青森県の十三湖(じゅうさんこ)と小川原湖(おがわらこ)、茨城県の涸沼(ひぬま)がシジミの漁獲地として知られています。
セタシジミは、琵琶湖にしか生息していない希少なシジミで、みそ汁、しぐれ煮、シジミ飯など、滋賀では家庭の味に欠かせない食材として古くから親しまれています。また、琵琶湖の特産品として知られています。
かつては、セタシジミの漁獲量は琵琶湖漁業全体の漁獲量の50%以上を占めていましたが、現在では減少傾向が続いています。
マシジミは淡水に生息するシジミで、水路、ため池、水田などにも生息していましたが、近年は生息域が徐々に減少し、ついには環境省レッドリスト2020で絶滅危惧II類に指定されました。
シジミは、金属製の爪がついたカゴに竿がついた「じょれん」と呼ばれる漁具で水の底にいるシジミを掘り起こしてかき取る伝統的な漁法である「じょれん漁法」で漁獲するのが一般的です。