ホンダ復活の決定打
ホンダは1996年にシェアを大きく回復させた。クリエイティブムーバーと呼ばれる乗用車をベースとしたRVが大人気となった。第一弾の初代オデッセイ、第2弾の初代CR-Vが軌道に乗ったのも大きかったが、第3弾として登場したBOXタイプミニバンの初代ステップワゴンがデビューしたのが大きい。まさに決定打となったのだ。
クリエイティブムーバーは、「ホンダが作るRV」という付加価値がつき、ファンから絶大な支持を得たのだ。
BOXタイプミニバンとしては後発
初代オデッセイが乗用タイプミニバンという新ジャンルを構築したパイオニアであるのに対し、ステップワゴンは従来の1BOXとは違いノーズのある1.5BOXで登場。当時は背の低い乗用タイプミニバン、背の高いBOXタイプミニバンのどちらも人気だった。
このBOXタイプミニバンというジャンルは初代トヨタエスティマが先鞭をつけ、エスティマでは大きすぎるというユーザーに向けて登場させたルシーダ/エミーナが大ヒット。トヨタには商用車のタウンエース/ライトエースにもワゴンモデルを設定していたが商用車色が強く人気はイマイチ。日産は1991年に商用車のバネットの乗用モデルであるバネットセレナを登場させ人気となっていた。1994年のマイチェンでバネットの名前が消えてセレナとなって現在に至る。
つまりステップワゴンはBOXタイプミニバンとしてはかなり後発ということになる。
郷愁を誘う車名
ホンダ初のBOXタイプミニバンとなったステップワゴンだが、その車名はオールドファンにとってステップバンを思い出させてくれるという点でも好評だった。ステップバンの正式名称はライフステップバンで、軽乗用車のライフをベースとした軽商用バン。1972~1974年と短命に終わったがインパクトは絶大だった。
ちなみにクリエイティブムーバーの第4弾として登場したハイトワゴンのS-MXは『ステップバーン』という愛称が与えられていたが、残念ながらあまり浸透しなかった。