実はデメリットもあるので注意!!
その一方で、マイナ免許証には、デメリットや注意すべき点もある。まずマイナンバーカードには、運転免許証の種別や有効期間などが記載されていない。これらの運転免許証に関する情報を知るには、マイナポータルにログインしたり、マイナ免許証の読み取りアプリを利用する必要がある。
従来の運転免許証と違って、運転免許証の有効期間が記載されないのであれば、失効にも注意せねばならない。
このほか海外で運転する場合、国によっては、従来の運転免許証が必要になる。そのためには、前述の通りマイナ免許証と運転免許証を両方ともに保有することになる。
このように見てくると、マイナ免許証のメリットは意外に少ない。マイナンバーカードと一緒にしてカードを1枚に集約できること、オンライン講習を受講できること、住所変更などの手続きが簡素化される程度だ。
逆に運転免許証としての有効期間を始めとする各種の運転免許情報が記載されないなど、不便な点も目立つ。特に海外で運転する機会の多いドライバーは、従来の運転免許証が必要な場合もあり、マイナ免許証を持つメリットは薄れる。マイナ免許証の判断は、自分のメリットとデメリットを比較して行いたい。
文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
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