ツアーで知った美味しいもの情報を食べ歩きで生かし、リアルで探検!
約1時間のツアーが終わった後、私はおすすめされた「クラフィート(CRAFEAT)」で夕食をとることにした。カウンターに座ると隣がさっきツアーに参加していたご夫婦だったので、目を合わせ、思わず噴き出した。
OMOレンジャーが「ここは金沢ならではのスペシャルな店!」という熱意をもって紹介していたので、胸に響き「ならば、ぜひ行ねば!」とお互いに思ったのだ。
「クラフィート」は老舗の「田谷漆器店」による運営で、上質な漆器で、石川県産の食材を生かした加賀料理をいただけるというお店。2階は会員制だが、1階のカウンター席はコースだけではなく、アラカルトでも注文でき、一人でも入りやすかった。モッツァレラチーズと岩のりなどの進化系金沢おでんや、加賀生麩の田楽味噌焼きなどの創作料理に日本酒も進む。
酒器ももちろん優雅な漆器。器がみな芸術的で、なかには130万円で販売されている芸術的なお重、1客50万円の輪島塗の蓋碗も。高価な漆器で実際に料理をいただき、その質感や口当たりを体感してほしいという狙いもあるそう。そのため「伝統工芸体験レストラン」というネーミングを採用したのだとか。締めはのどぐろの焼きおにぎり茶漬け。北陸の旬の味覚を堪能した。
夜が更けると、冒険心がむくむく。先ほど案内してもらった「金沢中央味食街」をのぞいてみることにした。
灯りがともると昭和歌謡のカラオケ映像のようなムードある風景に。思い切って扉を開いて、地元の常連と交流する。そこからまた新しいグルメ情報が広がったり、ツウなおすすめメニューを試したり。
そんなひとときも「街ナカ旅」の醍醐味だ。OMOレンジャーから仕入れた片町の食文化のルーツなどの情報が、会話をさらに理解しやすく、深みのあるものにしてくれる。
「あのツアーに参加して、この店を教えてもらいました」の一言は、フリーパスのように新しい扉を開く勇気をくれる。調子に乗った私は、まったく知らないオーセンティックなカクテルバーにも足を踏み入れてみることにした。
これも正解。なんとなく鼻が利くようになってきたような自信が(笑)。井之頭五郎(漫画『孤独のグルメ』の主人公)よろしく、心の中でつぶやきまくり、「孤独のグルメ」を気取って金沢片町を徘徊した。
一人飯、一人酒、万歳!