住人や通しか知らない街の穴場、裏情報をゲット
翌朝は8時45分集合の「金沢21世紀美術館お散歩ツアー」に参加。朝9時前なんて早すぎる!と敬遠するなかれ。これには訳があるのだ。
まず早朝の金沢の街は、空気が凛として心地よい。歴史を学びながら、古都を歩くのが楽しい。片町周辺は金沢の中心地。オフィス街としての顔を持つので、9時ごろになると、街として機能し、現実的な空気が漂ってくる。
OMO5金沢片町のいいところはそのロケーション。「金沢21世紀美術館」までも徒歩6分。「兼六園」までも約10分だ。
このツアーでも街の成り立ちや、美術館創立までの背景や裏話を聞きつつ、ぽくぽく歩いているうちに到着。この美術館は展覧会ゾーンと呼ばれる入館料が必要なエリアと、地元の人々も気軽に集える無料の交流ゾーンがある。展覧会ゾーンは10時開館だが、交流ゾーンは朝9時からオープンしているので、貸し切り?と思うほど空いているのだ。
中に進むと、色の折り重なる様子を体感できるカラー・アクティヴィティ・ハウスなど、屋外に展示されている作品をじっくり鑑賞することができる。
また刻一刻と変わる雲の動きも作品の一部となるブルー・プラネット・スカイなども交流スペースに展示。
加賀友禅をモチーフにした壁画やキュートなうさぎ耳のチェアなど、作品と一緒の記念写真も混雑していないこの時間帯ならば、思う存分、時間をとれるのだ。ひとり旅でも絶妙なアングルで、お互い撮影しあえるのがいい。
このツアーも途中離脱OK。解散後はそのまま展覧会ゾーンで、アート鑑賞するのもよし、朝の観光を楽しむもよし、部屋に戻ってゆったりするもよし。
この自由さこそ、街ナカ旅の楽しさ。地元に住む信頼できる知人だと思って、OMOレンジャーにいろいろと相談、質問してみよう。
文/間庭典子
まにわ・のりこ。東京都杉並区出身。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)退社後、米ニューヨークを拠点に活動。帰国後はフリーライターとして情報を発信。全国各地の宿、インテリア誌では200軒以上の住宅を取材するなど、旅芸人なみのフットワークを誇る。仕事柄、ラグジュアリー系リゾート体験も豊富だが、「青春18きっぷ」を使って旅する“18きっぱー”でもあり、JRのほぼ全路線制覇。地の酒、肴を味わえる居酒屋や市場めし、ひなびた湯治場を巡るのも大好き。