カリフォルニアから逆上陸。先ごろ日本でも販売開始されたスパークリングSAKE「SummerFall(サマーフォール)」がかなりイケている。飲み切りサイズで、お手軽で、味わい爽やか。いろんなシーンで楽しめちゃいそうなので、まだ未体験というあなたにぜひ紹介したい。
画像ギャラリーカリフォルニアからスパークリング日本酒が逆上陸した。先ごろ日本でも販売開始されたスパークリングSAKE「SummerFall(サマーフォール)」がかなりイケている。飲み切りサイズで、お手軽で、味わい爽やか。いろんなシーンで楽しめちゃいそうなので、まだ未体験というあなたにぜひ紹介したい。
“ハードセルツァー”って知ってる!?ヘルシー志向のカリフォルニアでブレイク
今アメリカで人気急増のドリンク、ハードセルツァー(Hard Seltzer)って知ってる? クラフトビール人気を超える勢いで、特に西海岸を中心に人気沸騰中のスパークリングアルコール飲料。
ケーンシュガー(サトウキビ)を原料とした低カロリーなアルコールに、いろんなフルーツのフレーバーが付いていて、フルーティで低アルコール(5%くらい)。すっきりした飲み心地で、手軽に購入できてパッケージもオシャレ。これが、ご存知のとおり「ヘルシー」がトレンドのアメリカの、特に若い世代のライフスタイルにどハマりして、ブレイクしたと言われている。
そんなアメリカ市場の中で、実は昨年2024年4月に投入され、1年足らずで販売を拡大。特に感度が高い若い世代に人気を得ているのが、今紹介している「SummerFall」なのだ。手軽に飲める新しいクラフトSAKEとして、今言ったようなライフスタイルにフィットして、新しいポジショニングを得ているのだ。ね? 気になるでしょ?
爽やかな飲み口の飲み切りタイプ。ナチュラルな低アルコールスパークリングSAKE
さて、気になる中身だが、まずはパッケージに注目。カリフォルニア発らしく、シルバーメタルに明るいブルーの文字が、伝統的な日本酒のイメージとはちょっと違ってなかなかクールなデザインだ。缶入りで250mlの飲み切りサイズなのも特徴だ。
そして気になる飲み口。プシュッと開けて口に運ぶと、シュワワとした炭酸の心地よさの中に、少し甘酸っぱい柑橘のような爽やかな酸味や香りも感じさせ、それでいて後口には日本酒の持つ旨みがほのかに効いていて、絶妙なバランス!
そもそもスパークリングで飲みやすいのだが、クラシックな日本酒と少し違うのは、白麹とワイン酵母を使っていること。それが日本酒のテイストにすっきりした酸味やちょっとワインぽいフルーティさを与えているらしい。アルコール度数も11%に抑えられている(通常の日本酒は14~15%くらい)からライトでドリンカブルだ。
「日本酒を世界酒に」というビジョンから誕生。楽しめるシーンが広がりそう
「SummerFall」がどうして誕生したのかというストーリーも、ちょっと興味深い。開発・販売開始したのは2016年に創業したスタートアップ企業「WAKAZE」だ。で、代表の稲川琢磨さんによれば、同社が掲げるビジョンが「日本酒を世界酒に」。
「創業のときから変わらないのが『日本酒を世界酒に』というのがビジョンで、なるべく世界中の多くの人に日本酒を飲んでもらいたいと思っています。と同時に、日本でリサーチしてわかったこともあります。日本の若い人がけっこう日本酒にチャレンジしたい、だけど、どこから初めていいかわからないと思っているということ。それに対しても極限までハードルを下げる取り組みをしたいと考えています」
19歳のときに渡仏して生活する中で、ワインを楽しむフランス文化に感銘した稲川さんが日本に戻ったときに、改めて発見したのが日本酒の魅力と奥深さ。ワイン文化と日本酒文化の間に共通点も感じたという。しかしその一方で、日本酒の市場、消費量はピーク時の3分の1くらいに落ち込んでいるーー。それが稲川さんのパッションに火をつけたというわけだ。
ちなみにWAKAZEは2019年にはパリ近郊に酒蔵を創立。パリ5区にレストラン『WAKAZE PARIS』をオープンし、発酵を軸にした日本食と醸造所直送の生酒を提供し、日本酒文化を発信している。そしてそこからアメリカへ、輸出をスタートしたのときに出合ったのが、ヨーロッパとはまた全然違ったアメリカ市場だった。
「ハードセルツァーをはじめとしたRTD(Ready-to-Drink)、缶入りですぐ飲めるアルコール飲料がすごく来ている波を感じて、それを若い世代を中心に手軽に多くの人が楽しんでいる。そこに向けてぜひ発信していきたいなということで生まれたのが『SummerFall』なんです」
BBQやカジュアルパーティ、音楽フェスでの新たな選択肢としてもGood!
爽やかでナチュラル、スキッとした酸味もある「SummerFall」は、料理を選ばないのもいい。実際、現地ではハンバーガーやピッツァ、シーフードなどとも好相性でカジュアルに楽しまれているという。
缶入りショートサイズで持ち運びにもお手軽。これから夏に向けてBBQとかのアウトドアシーンやカジュアルパーティ、シーサイドや音楽フェスに持ち出してもいいだろう。「自由に、気軽に日本酒っていうものを楽しんでいただくきっかけになれば」(稲川さん)という狙いにピッタリだし、この選択肢、知っとかない手はない!
首都圏の『紀ノ国屋』、『イオンリカー』、『信濃屋』、東急百貨店など約100店舗から販売中。そして2025年3月4日から首都圏のファミリーマートから販売をスタートしているのでぜひお見逃しなく。日本酒の新たな起爆剤になるか、その点でもおおいに注目だ。
取材・文/池田一郎
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