気軽に嗜む“ジーパン・クラシック”『BAR SCALA』@牛込神楽坂
お話の上手い趣味人、という感じのマスター。クラシックと洋酒の案内人にふさわしい。磯部太郎さんはギアとゼンマイとバネが好きで、歪みのあるカットガラスが好き。店の内装のペンキは自分で塗る。中高生時代はメタル命だったが、いつの間にかクラシックファンになった人。
クラシックの魅力は「演奏者が聖人君子じゃないところ。不倫旅行の常習犯ほか、ほめられたことをしない人だらけ。いい音は出すけれど、いい人じゃない=はみ出し者が多数いました」。
放っておいたら何枚でもレコードを買ってしまうため、今は1か月に10枚以内と制限を設けたそうだ。
フルレンジスピーカー(テレフォンケン)を60年代の西ドイツ製のレコードプレイヤーで鳴らす(針は3か月に1度交換)。音源の多くはモノラルだ。そう、クラシックの古い時代はステレオ録音はない。
店主は「結果的に人の声がとても良く響くシステムになりまして、歌曲をよく聴くようになりました」という。
お酒のオーダーは、好みを伝えてあとはお任せ。メニューがないので、話をしながら合うお酒を作ってもらうスタイルだ。リラックスしてトーク&クラシックの扉を開きたい。
Recommend Album
「モーツァルト歌曲集」リタ・シュトライヒ
「私の中のアイドル的ソプラノ歌手。装飾や急な音階移動を操る技“コロラトゥーラ”の名手ですね。うちの店のスピーカーにとてもよくマッチする一枚です!」
「ROSSINI VERDI OVERTURE」アルトゥーロ・トスカニーニ
「リハーサルでの追い込みが厳しいことで有名なイタリアの巨匠。ただ、完璧なまでに調った音で、鳥肌が立つのです。有名なオペラ劇中歌の序曲集です」
「Meister des Bogens」ヴァーシャ・プシホダ
「『銭形平次』の作者として知られる音楽評論家・あらえびすが激賞したバイオリニスト。音が色っぽいジプシー系で、私は彼のレコードと出合うとすべて買います」
「バッハ・ピアノ協奏曲EMI COLH15」エドウィン・フィッシャー
「1886年生まれのピアノ奏者兼指揮者。数々の著名ピアニストを輩出した功績あり。“おやっさん”的存在感を放つ彼と一緒にお酒を飲んでみたいですね」
[店名]『BAR SCALA』
[住所]東京都新宿区袋町1栗原ビル3階
[電話]03-6228-1206
[営業時間]16時~24時(23時半LO)
[休日]火
[交通]都営大江戸線牛込神楽坂駅A3出口から徒歩3分、地下鉄南北線ほか飯田橋駅B3番出口から徒歩6分
※チャージ800円(税込)