最近はSUVが売れ筋だが、日本では3列シートミニバンの人気も依然として高く、新車販売乗用車の25%ほどを占める。以前と比べ、各メーカーのミニバン車種数が減っているため、1モデル当たりの販売台数は増えており、小型/普通車登録台数の月間ランキング上位には、複数のミニバンが並んでいる。それらミニバンのなかで、おすすめの車種と「損しない」ベストグレードを紹介したい。
【コンパクトサイズ】ホンダフリード/ベストグレード:e:HEVエアーEX(価格:321万2000円/6人乗り・2WD)
フリードは全長が4310mmのコンパクトミニバンで、標準タイプになるエアーのボディは5ナンバーサイズに収まる。2024年6月に発売され、2024年度(2024年4月から2025年3月)の1カ月平均登録台数は7567台に達した。国内販売ランキングの上位に入っている。
高い人気の理由は、コンパクトサイズでありながら、ミニバンの機能が充実することだ。2列目のシートはセパレートタイプ(キャプテンシート)が主力で、両側にアームレストが装着されるからリラックスして座れる。ライバル車のシエンタは、2列目がベンチシートのみになることもあり、セパレートシートはフリードのセールスポイントだ。
ボディサイズのわりに車内も広い。身長170cmの大人6名が乗車した時、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシ1つ分に調節すると、3列目シートの膝先空間は握りコブシ1つ半になる。シエンタで同じ測り方をすると、3列目の乗員の膝が2列目の背面に触れてしまう。つまり、シエンタのほうが3列目は狭いということ。
このほかハイブリッドのe:HEVは、モーター駆動が中心とあって、加速が滑らかでノイズも小さい。乗り心地も快適といえる。
このようにフリードは、コンパクトサイズながら、ミニバンユーザーのニーズに応えて人気を高めている。同じホンダのステップワゴンe:HEVエアーEX(393万8000円)と比較して、価格が72万6000円安いこともメリットだ。