全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・高円寺の絵本専門店『えほんやるすばんばんするかいしゃ』です。
絵本という謎のもの、その不思議な魅力と付き合い続ける
「絵本が好きかと聞かれればそうなんだろうけど、どこが好きかわからない。もっと言えば、絵本と相思相愛ではなくて、大人である以上、絵本はこっちを向いてくれないわけです」とは、店主の荒木健太さん。
2003年に絵本専門の古本屋として開店。今は新刊も扱うし、インディーズな自社出版もしている店だ。冒頭の言葉をもう少し紐解くと、荒木健太さんはずっと“絵本の謎”を掘り下げ続けている人だ。楽しそうに、興味深そうに。
「もともと絵本作家なんていないと考えていて、絵描きが持っている言語と、お話を書く人の言語は違う。それぞれ独立した、まったく別々のものを合わせてできるのが絵本です。基本は、作・絵別。そのルーツは福音館書店が1956年に始めた『こどものとも』だと思っています。しかも届け先は子どもであって、そこに届かないと意味がない」
――作と絵、どちらが主でも従でもなくて、本来別々の言語が奇跡的に合わさってひとつの世界ができているのが不思議ということか。「好き」を語るにしても、どちらかだけに寄ったり、大人目線になれば微妙にズレていってしまうという。
赤い木枠のガラス戸から店内に入ると、中はどこか懐かしい木造校舎のような趣き。照明もランプのような色合いで、何やらお伽の時空間に迷い込んだようだ。そしてそこには先述したように荒木健太さんがじっくり付き合い、集め、仕入れたり作家と共に生み出してきた絵本が並ぶ。
ラインナップの基準は「古本屋感覚かもしれませんが、鮮度ではなく、何回読んでも面白いものですね」。
古本でも新刊でもいい感じに時間を重ねていく本たちなのだろう。ぜひこの空間で、あなたも一冊手に取ってみてほしい。
【owner’s recommend】『ふしぎなナイフ』中村牧江・林健造:作、福田隆義:絵
ページをめくるたびに、リアルに描かれたナイフがぐにゃりと曲がったり、バラバラに砕けたり、伸び縮みしたり、最後は……!!
「あえてお話じゃないものを。小さい頃ずっと見ていられると思った本。作り手的にも憧れです」(荒木健太さん)
高円寺『えほんやるすばんばんするかいしゃ』
[店名]『えほんやるすばんばんするかいしゃ』
[住所]東京都杉並区高円寺南3-44-18
[電話]03-5378-2204
[営業時間]14時~20時
[休日]水
[交通]JR中央線ほか高円寺駅南口から徒歩6分
※画像ギャラリーでは、ギャラリー展示室がある店内の画像がご覧いただけます。
■おとなの週末2026年1月号は「もう迷わない!東京駅ランキング」

撮影/松田麻樹、取材/池田一郎
※月刊情報誌『おとなの週末』2025年10月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。








