【釜あげ】儚げなコシから膨らむ素朴な甘みを熱々&旨口のツユで『蕎麦と酒処きくち』@石神井公園
店名からわかるように、ここは酒と蕎麦を愉しむ店。店主のセンスが光る気の利いたつまみも昼から準備万端で、1時間でも2時間でもどうぞごゆっくりというスタンスだ。
日本酒の揃えは純米が基本。とくれば燗酒に手を伸ばしたくなる。身体も胃袋も温まったところで、さあ〆へ。湯気の立つ釜湯に浮かんだ十割蕎麦を啜ってみれば、やや粗挽きのざらつきを帯びた肌から膨らむ何とも素朴な甘み。
かまあげ1100円
それを利尻昆布や干し椎茸の軸からダシをとった熱々のもり汁が支えていた。ほくほくとした不思議なコシで、噛めばたちまち消えてしまう儚い風情も愛おしい。熱燗と釜揚げで食事を終える頃には汗をかくほどぽっかぽか。店を出た後の秋風がいつもより心地良い。
[店名]『蕎麦と酒処きくち』
[住所]東京都練馬区石神井町3-27-16
[電話]03-6913-1840
[営業時間]12時〜14時、18時〜21時(20時最終入店・20時半LO)※蕎麦がなくなり次第終了
[休日]木・金の昼・毎月最終水
[交通]西武池袋線石神井公園駅南口から4分
撮影/西崎進也(かりべ、ひら山)、小島昇(きくち)、取材/岡本ジュン(かりべ、ひら山)、菜々山いく子(きくち)

※月刊情報誌『おとなの週末』2025年12月号発売時点の情報です。
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