もう随分まえのような気もしますが、2020年に新型コロナウイルスが世界中に蔓延しました。当時、さまざまな規制が入る中、趣味の自転車ツーリングは「三密」にもならず、けっこう重宝する休日の過ごし方でした。その頃、何度か訪問した場所が東京の西のはし、急峻な山々に囲まれる奥多摩エリアです。自宅から青梅市を経由し奥多摩湖(標高530メートル)まで約60キロ。高低差は約500メートル。けっこうきついですが、平日は家にこもる日々でしたので運動不足解消にももってこい。
それ以来、自転車登坂も数回、時にはJR青梅線で訪問しビールと食事を合わせることも多く、今ではちょっとした奥多摩マイスターです(笑)。同地は自転車のみならず、バイクツーリングやトレッキングの聖地でもあり、休日は大変賑わっています。これから紅葉を迎える奥多摩エリア。今日から3回にわたり様々なジャンルの“奥多摩グルメ”をご紹介したいと思います。どうぞご期待ください。
これは安い!1000円未満で味わう『ことぶき』の天ざる
では本題にまいりましょう。山のグルメというと真っ先に思い浮かぶのは「蕎麦」と「釜めし」です。蕎麦は山に囲まれた山形や長野では美味しいイメージが、釜めしは「峠の釜めし(群馬県安中市松井田町横川)」が頭をよぎるからかも知れません。そして、奥多摩には両グルメの名店が何軒もあります。さすが山と峠だらけの奥多摩です(笑)。まず今回は「蕎麦」。お店の雰囲気も蕎麦のタイプもそれぞれ違う三店をご紹介したいと思います。
最初に取り上げるのは青梅市内を走る吉野街道沿いにある『ことぶき』(青梅市)です。外観は古民家風の蕎麦屋さんらしい佇まい。駐車場は10台程度でしょうか。お昼はいつも大繁盛の人気店です。
その理由は味もさることながら、「お手頃な値段」にあります。「天ざる」が何と970円(2025年8月現在)。1500円前後のお店が多い中、あまり見たことのない価格です。メニューを見ると他の食事も安い。しかも天ぷらの具材が表記されており、その中に大好きなピーマンの天ぷらがあるではないですか!。天ぷらの具材まで書いてあることって意外とないです。口数少ない女将が店を仕切っていましたが、メニューは雄弁でした(笑)。
さて、肝心の蕎麦ですが、平たい感じの麺で、触感が優しくスルっと食べることができます。天ぷらはひとつひとつのネタは小さいですが、ダイエッターの筆者にはほどよい大きさでした。何しろピーマンの天ぷらがあれば、他に何もいりません。ピーマン好きの方、蕎麦好きの方は是非お立ち寄りください。












