シンプルなデザイン
初代フォレスターのボクシーなデザインは当時賛否あった。賛成派はシンプルで好感が持てる、背の低さもあってスポーティ、逆に否定派は無骨で洒落っ気がない、というものだった。筆者個人的には飾り気がなく好きだった。
大型のヘッドライト、グリルセンターに装着されたフォレスターのエンブレムがはちょっとシボレーのボウタイっぽいこともありフロントマスクがシボレー風で、グレードにより意匠は変えられていたが初期のメッシュタイプのグリルがスポーティに映った。ただ奇をてらわずシンプルに徹していた印象。
フロント以上にシンプルなのがリアデザインで、オシャレな感じはせず、どちらかと言えば飾り気のない質実剛健な商用車的だった。ただスポーツグレードに装着されていたルーフエンドスポイラーがさりげなくスポーティ感を主張していた。
実用性を加味してルーフレールが装着されていたのもワゴン的に映った要因のひとつ。
スバルのこだわり
初代フォレスターの登場時のエンジンは2L、水平対向4気筒ターボのみで、駆動方式も4WDのみという非常にシンプルで割り切ったラインナップ。インプレッサをベースに車重アップしていることもありスバルらしいスポーティな走りを実現するためにはターボが必須だった。ただ後にマーケティングサイドからの要望もあり、ライト感覚で乗れる2LのNA、上級志向の2.5LのNAを追加してラインナップを増やしていった。
トランスミッションは5MTと4ATを設定していて、5MTはビスカスLSD付きセンターデフ方式の4WDで、4ATはアクティブトルクスプリット式、後に追加された2L、NAエンジンは低速副変速機付きのデュアルレンジ(5MT車)と4WDはバリエーション豊富でスバルらしいこだわりを持っていた。
独特のボクサーサウンド
2L、水平対向4気筒ターボエンジンは250ps/31.2kgmという堂々たるスペックで、1390kgというSUVとしては軽いボディをグイグイと加速。「ドコドコ」、「ドゥルドゥル」、「ドッドッドッ」など表現される独特のボクサーサウンドは初代では健在。というのも2代目以降は、排ガス規制対応などのため独特のボクサーサウンドが薄れたのだ。たまに街中で初代フォレスターが走っているのを見かけると、懐かしのボクサーサウンドを轟かせていてうれしくなる。
初代フォレスターのネガは燃費。当時のスバルの水平対向エンジン(特にEJ20ターボ)の宿命でレガシィ、インプレッサ同様に燃費はライバルと比べると悪かった。しかも一連のEJ20ターボはフォレスターの最高出力発生回転数が6250rpmというのでもわかるとおり高回転型だったため気持ちよく走れば燃費は悪化。





