旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■真紅の実が
正解:ブラッドオレンジ
難易度:★★★★☆
赤色の正体はアントシアニン
イタリアのシチリア島で生まれたとされるブラッドオレンジは、その名のとおり「血(Blood)」のように鮮烈な赤色を帯びた果肉が最大の特徴です。
一般的なオレンジに比べてやや小ぶりで、香りが非常に強く、濃厚な甘みのなかに爽やかな酸味が同居した、まさに「大人のためのオレンジ」といえる存在です。
かつては地中海沿岸の限られた地域でしか栽培されておらず、希少な果実として珍重されてきました。
鮮烈な赤色の素となっているのはアントシアニンという色素です。通常、柑橘類はカロテノイドによって黄色やオレンジ色に色づきますが、ブラッドオレンジはポリフェノールの一種であるアントシアニンを大量に蓄積することで、この独特の色合いを生み出します。
興味深いことに、この赤色は昼夜の寒暖差が激しい環境でなければ綺麗に発現しません。シチリア島の活火山であるエトナ山の麓などは、まさにこの条件に合致した最高の産地なのです。
現在、市場で見かけるブラッドオレンジは、主に3つの品種に分かれます。もっとも色が濃く、黒みがかった赤色を持つ「モロ」、甘みと酸味のバランスがよい「タロッコ」、やや小ぶりで種があるものの非常に風味が豊かな「サングイネロ」です。
日本国内でも、愛媛県などを中心に栽培が行われるようになりました。
産地や品種によって多少前後しますが、一般的には2月から4月頃にかけてがもっとも美味しい時期となります。輸入物も含めるともう少し長く楽しめますが、国産のフレッシュなものはこの短い期間にしか出回りません。
食べ方については、その美しい色を活かすのが王道です。もちろんそのままカットして食べるのも美味しいのですが、イタリアンスタイルの生搾りジュースは格別です。グラスに注がれた果汁は、一見するとトマトジュースや赤ワインのようにも見えますが、口に含んだ瞬間に広がるベリーのような芳醇な香りはブラッドオレンジならでは。
また、その酸味と香りは料理との相性も抜群です。薄くスライスして、生ハムやモッツァレラチーズと合わせ、オリーブオイルと塩をひと振りするだけで、見た目にも華やかなサラダが完成します。




