旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■春の風物詩
正解:ウコギ
難易度:★★★★☆
力強い風味を持つ春の味覚です
ウコギは、ウコギ科ウコギ属に属する植物で、古くから日本の山里で春の味覚として親しまれてきました。
原産地は中国東北部から朝鮮半島にかけての寒冷地といわれています。日本には平安時代以前に薬用として伝わったとされ、以来、東北地方を中心に食用を兼ねた生垣として、現代に至るまで栽培が続けられています。
旬の時期は、3月頃から6月くらいにかけて。おもに食すのは、柔らかい若芽の部分です。
ほろ苦さと野趣あふれる力強い風味が特徴です。この独特の風味を楽しむ食材なので、シンプルな調理が適しています。
定番はおひたし。若芽をさっと茹でて水に取り、軽く絞って刻むだけで香りがふわりと立ち上ります。
ほかに、味噌と和えて「ウコギ味噌」にしたり、味噌汁の具にすると独特の香りを活かすことができます。また、天ぷらにするとほろ苦さがほどよく和らぎ、衣の香ばしさと相まって食べやすくなります。
地域によっては、刻んだウコギをご飯に混ぜる「ウコギご飯」が春の郷土料理として親しまれています。とくに山形県の米沢でこの料理が根づいた背景には、生垣を実利的に活用してきたこの土地ならではの習慣が反映されています。
米沢藩主・上杉鷹山が飢饉に備え、各家の境界にウコギを生垣として植えることを奨励したことで、町にはウコギ垣が広く普及しました。春になると、多くの家で若芽を収穫できる環境が整っていたのです。
生垣は場所を取らず、手入れも比較的容易で、どの家でも収穫できるという利点がありました。春先は青物が乏しい時期でもあり、ウコギは早春に口にできる貴重な若芽でした。そのため、おひたしや味噌和えとして食べられ、たくさん採れた日には刻んでご飯に混ぜる料理が定着していったと考えられています。
漢字では「五加木」と書きますが、その名は中国の生薬名「五加(ごか)」に由来するといわれています。
五加とは“五つの効能を持つ木”という意味で、古くから薬用植物として扱われてきました。
日本でも、ウコギの根皮は「五加皮(ごかひ)」と呼ばれ、生薬として利用されてきました。五加皮は体を温め、気力を補う薬として知られ、強壮薬として活用されています。



