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明治から続く老舗が仕掛ける夏を彩る風物詩『茅場町 長寿庵』@茅場町

「おかめ蕎麦」に”冷やし”があったとは。今の今まで、不覚にもその存在を見過ごしていたらしい。あのクラシックの名品に、こんな涼やかな双子が隠れていたとはびっくりだ。

冷やしおかめ1700円

『茅場町 長寿庵』冷やしおかめ 1700円 甘い椎茸がいいアクセントに。蕎麦の産地は北海道を中心に、季節によっていいものをブレンドして打つ

すべての具材は、蕎麦と等しく細切りに整えられている。竹の子、甘く煮た椎茸、錦糸玉子。食べる直前、「よく和えてどうぞ」と、おいしく食べるためのメソッドが明かされる。

辛口のもり汁をかければ、蕎麦の輪郭がはっきりと立ち上がった。凛とした蕎麦をたぐると、様々な具にきゅうりや貝割れが涼やかな伴走を繰り広げる。こんな愛すべき夏の蕎麦があったとは。

創業明治40年。歴史あるこの店では、次なる名品「すずしろ」にもうならされた。真っ白な大根の細切りが高く積まれた姿は、まるで雪が積もったモンブランを思わせる。

このふたつの蕎麦は、かれこれもう30年以上、暑い季節の定番として君臨しているという。歴史とは、新しい提案を重ねる、その進化の連続なのだ。そんなことに想いを馳せてしまうほど、老舗の夏メニューにすっかりノックアウトされてしまった。

店主:吉田博昭さん「冷やしのメニューは毎年、9月末くらいまであるのでぜひどうぞ」

『茅場町 長寿庵』

[店名]『茅場町 長寿庵』
[住所]東京都中央区日本橋茅場町1-9-4長寿ビル地下1階
[電話]03-3666-1971
[営業時間]11時〜15時、17時〜21時半
[休日]土・日・祝
[交通]地下鉄東西線ほか茅場町駅5・6番出口からすぐ

蓋を開ければ心も華やぐ美味の共演『九つ井(ここのついど) 玉川店』@二子玉川

地下へ降りるとそこは別世界だった。飴色の柱、趣のある土間、使い込まれた建具……およそ120年前の古民家をビル内に移築したというこの稀有な店は、ここが東京であることも、灼熱の暑さも、忙しい日々さえも忘れさせる非日常空間。

大船に本店がある手打ち蕎麦と日本料理の老舗が23年ほど前に都内に出店した支店で、本店と変わらぬ風情と味わいを楽しめる。

打ちたての蕎麦は色味と香りのバランスを考えて2種の蕎麦粉を配合した二八。王道の天ざるもいいが、注目したのは「ちらしそば」だ。車エビ、天ぷら、刺身など彩り豊かな具材に目が釘付け。懐石料理も提供する強みを生かし、「旬の食材で見た目も味も喜ばれる蕎麦を」と考案したのだそう。

ちらしそば2000円

『九つ井(ここのついど) 玉川店』ちらしそば 2000円 具材の一部は毎月変わる。この日の刺身は真鯛。蕎麦は北海道と茨城の蕎麦粉をブレンド

正直に言えば蕎麦と合うのか半信半疑だったのだが、これが傑作。好きな具を単体で食べるもよし、蕎麦だけもよし、ダシが効いたツユを回し掛ければ全てが円陣を組む一体感のあるおいしさに。

使う器や内装の飾りも自家窯で制作したオリジナルだそうで、寛ぎの時間はお腹だけでなく心も豊かに満たしてくれる。

『九つ井(ここのついど) 玉川店』

[店名]『九つ井(ここのついど) 玉川店』
[住所]東京都世田谷区玉川3-17-1玉川髙島屋S.C.東館地下1階
[電話]03-5717-9110
[営業時間]11時半~22時(21時LO)
[休日]第1月※2026年8月17日~21日は臨時休業
[交通]東急田園都市線二子玉川駅から徒歩3分
※コース料理は予約が望ましい

撮影/橋本真実(銀杏、九つ井)、西崎進也(えもり)、浅沼ノア(いさ美庵、長寿庵)、取材/肥田木奈々(銀杏、えもり、いさ美庵、九つ井)、岡本ジュン(長寿庵)

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

※画像ギャラリーでは、絶品ぶっかけ蕎麦の画像をご覧いただけます。

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『おとなの週末』編集部
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