その一杯を求めて、全国からラーメン好きが神奈川・湯河原へ向かう。『飯田商店』だ。「日本一予約が取れない」とも称される超人気店だが、予約を取り、店を訪ねても食べられない一杯がある。飯田将太店主が、11月のイベントのためだけに仕立てる「特製まぜそば」。しかも、ビールとともに味わうためにつくられ、その一杯に合わせるヱビスまで、この日のために造られた。麺とビール、二つの“一杯”が出会うとき、口の中で何が起きるのか。
湯河原の『飯田商店』にはない特別メニュー
ここで紹介する「特製まぜそば」は飯田将太店主がつくる一杯だ。けれど、『飯田商店』のメニューにはない。
この「まぜそば」が姿を現すのは、11月19日から21日までのわずか3日間。東京・恵比寿で開かれる「YEBISU×飯田商店 SPECIAL COLLABORATION 2026」のイベントでだけだ。
それも、ただのイベント限定メニューではない。ビールと一緒に味わって、初めて完成する「まぜそば」なのだ。
開発段階では、ビールの原料であるホップを麺づくりに取り入れる試作も重ねられた。狙ったのは、麺をすすり、ビールをひと口、そしてまた麺へ戻ったときに生まれる味の変化。食べる、飲む、また食べる。その往復こそが、この一杯の楽しみなのだ。
「まぜそば」だけではない。ヱビスまで専用だ
そして今回、もう一方の主役も“いつもの一杯”ではない。
オリジナルヱビス「太乙麦香(たいいつばくこう)」。ヱビスブランド Chief Experience Brewerの有友亮太さんをはじめとする醸造チームが、飯田さんと意見を交わしながら、このまぜそばとの相性を追求して造ったビールだ。
考えてみれば、かなり贅沢な話である。『飯田商店』が、この3日間だけの一杯をつくる。それだけでも十分にニュースになる。なのに今回は、その一杯のためにヱビスまで新しく造ってしまった。
飯田さんがヱビスを思って「まぜそば」をつくる。ヱビスの醸造家・有友亮太さんは、その一杯を思ってビールを造る。ラーメンに合うビールを探したのではない。ビールに合うラーメンを後から考えたのでもない。
ラーメンとビールを、最初から一緒につくった。だから、この「まぜそば」は「太乙麦香」と合わせてこそ完成する。
最初に麺をすすってから「太乙麦香」か。それとも、先にビールをひと口含んでから麺へ行くか。どちらから始めるか。その迷いまで、当日の楽しみになる。
そして、その二つを味わったあとには、飯田さんと有友さん本人が登場する。その味をつくった二人が、目の前にいるのだ。プレミアムコースでは、飯田さんと有友さんによるトークセッションも行われる。
なぜ、この「まぜそば」なのか。なぜ、このヱビスなのか。二つを合わせたとき、何を感じてほしかったのか。
自分の舌で味わったあと、その味をつくった二人の言葉を聞く。さっきまで口の中で起きていたことの“答え合わせ”を、本人たちとするわけだ。






