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『おとなの週末Web』では、グルメ情報をはじめ、旅や文化など週末や休日をより楽しんでいただけるようなコンテンツも発信しています。国内外のアーティスト2000人以上にインタビューした音楽評論家の岩田由記夫さんが、とっておきの秘話を交えて、昭和・平成・令和の「音楽の達人たち」の実像に迫ります。国民的バンドとなったサザンオールスターズ、桑田佳祐の最終回です。

サザンオールスターズの名曲私的ベスト3

サザンオールスターズの楽曲には、ファンそれぞれ自分なりの名曲をお持ちだろう。ヒット曲は多いし、アルバムの中には隠れた名曲もある。サザンオールスターズの楽曲で、勇気づけられたり、悲しみを癒してもらった方も多いことだろう。

ぼく自身も彼らの名曲が心で鳴っている。どれがベストと言えないほどだが、あえて個人的に思う名曲を3曲、紹介してみたいと思う。これらはあくまでも個人的な名曲であって、サザンオールスターズの絶対的ベスト3でないことをことわっておく。

作詞・作曲を担当する桑田佳祐には、大きく分けてふたつのバックグラウンドがあると思う。ひとつめは1960年代から1970年代の洋楽である。アマチュア時代にディープ・パープルをカヴァーしていたように、サザンオールスターズの底流には洋楽が流れている。

変名である嘉門雄三名義でライヴ・アルバムを発表したこともあった。そこではビリー・ジョエル、ザ・バンド、ボブ・ディラン、ザ・ビートルズなどといった有名どころから、オーティス・クレイ、モーリス・ウィリアムス&ザ・ゾディアックスなど渋いナンバーも収録されていて、桑田佳祐のルーツが少し分かる。

もうひとつのルーツは日本の歌謡曲だ。恒例としていたアクト・アゲインスト・エイズ(AAA)のライヴでは、古い歌謡曲が数多くカヴァーされていた。洋楽と歌謡曲、それに桑田佳祐ならではの言葉の独特のセンスが加味され、サザンオールスターズやソロ作品の楽曲は成り立っている

左から『熱い胸さわぎ』(1978年)『タイニイ・バブルス』(1980年)『NUDE MAN』(1982年)『人気者で行こう』(1984年)『10ナンバーズ・からっと』(1979年)『Young Love』(1996年)『綺麗』(1983年)
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岩田由記夫
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