6ヘクタール、4エリアの広大な土地に整然と並ぶブドウの木。ワイヤーに添えられた枝からはずっしり実をつけたブドウの房が垂れている。
収穫はお盆明けから。ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ブラン、シャルドネといった白ブドウからはじまり赤ワイン品種へと、11月頃まで順次手摘みで収穫される。
発酵の香りに満たされた醸造所内。3週間ほどの発酵で10~15度のワインが誕生する。
室温16~18度に保たれた熟成庫には樽や瓶詰が整然と並ぶ。瓶内熟成は半年から4年ほどで店頭に並ぶ。
京料理はうす味のだし文化で、合わせるワインは控えめの風味を求められる。自社農園産のピノ・ブランを使った柔らかな味わいの〈京都丹波 ピノ・ブラン〉2,970円(750ml・税込)はそのひとつの答え(左)。〈京都丹波 ピノ・ノワール ロゼ2021〉3,850円(750ml・税込)は果実味と酸味がバランスよく広がる。
テイスティングコーナーでの少量試飲は無料。たっぷりグラス一杯も300円均一(税込)で楽しめる。
窓一面にブドウ畑を望むレストランは一段低く設計され、たわわに実るブドウを見ることができる。
フランスや東京で研鑽を積んだ木戸瞬介シェフ。ブドウ畑を見渡す屋外の『ヴィンヤードグリル』では地元農家の野菜や近隣の猟師が捕獲したイノシシ肉やシカ肉を使ったバーベキューを提供する。
『レストランduTamba』の地元食材をたっぷり使ったプレートランチ。丹波のお米でいただく〈和牛すじ赤ワイン煮込みカレー〉(1,500円・税込)は定番メニュー。タンニンの強い〈京都丹波 タナ〉を合わせて。
常連客は数本ではなく箱買いしていく人も多い。ワインのおともになるサルシッチャなどの加工肉、地元の食材や輸入食材も扱う。
宮津の町からクルマで15分ほど。阿蘇海沿いにブドウ園が見えたらそこが『天橋立ワイナリー』。ワイナリーとワインショップのほか、地元の農産品を直売するマルシェ、米粉のパン工房を併設する。
海の目の前だが穏やかな内海のためか、特に塩害などは確認されない。木の根本には天橋立から回収する牡蠣殻を敷き詰め、土壌改良に役立てている。
「北海道ワインの会長に言われ、ラッキーな成り行きでのワイナリー設立でした」と話すオーナーの山﨑浩孝さん
園を案内してくれた天橋立ワイナリーの藤原邦彦さん。現在は20品種ほどをテスト中とか。そのうち5~6種が商品となる。
収穫を待つブドウたち。「雨が降ると実が割れる可能性があるので、ここまで育ったらあとは天気の心配だけです」と藤原さん。
熟成樽は地下のセラーに。1樽でボトル300本分。オーク材の樽はローストの度合いがワインの風味にも影響するため、いろいろとテストしているそう。
近年力を入れているサペラヴィ種を使用したワイン。左〈茜・辛口 2020〉(2,695円・税込)は、サペラヴィにセイベル13053やマスカトベリーA、ヤマソーヴィニヨンをブレンドした1年熟成の辛口赤ワイン。右〈特撰サペラヴィ樽熟成・赤・辛口〉(4,400円・税込)はサペラヴィ100%でオーク樽と瓶内で熟成。樽由来のロースト香にしっかりした酸、深い余韻が味わえる。
果汁から発酵して数日しかたっていない無濾過のベビーワイン、〈フェーダーロータ〉(200円・税込)。醸造所でしか味わえない楽しみだ。
天橋立と阿蘇海を一望するレストランで丹後の食材を使ったビュッフェランチ。微発泡の辛口ロゼワイン〈茜スパークリング〉とともに。ビュッフェは、大人1,700円、小学生850円、幼児(4~6歳)530円(すべて税込)
別館のマルシェでは地元農家の野菜や果物、お米など食材も直売。
別館マルシェに併設されたパン工房『ぶどう畑のパンや』は、丹後産コシヒカリ米粉を使ったもちもち食感の米粉パンが人気。