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京都でワイン。飲むだけではありません。京都の地でもワインづくり、やっています。しかも、テイスティングや見学などもでき、レストランも併設され……京都旅にぴったりなデスティネーションと言える場所。
そこで、ワイナリーを巡るショートトリップに出掛けてみました。

京丹波で、和食と向き合うワインづくり

京都府中央部に位置し、北側で福井県と、東側で滋賀県と接している京都丹波高原国定公園は全国で57カ所目の国定公園。。

京都市街から北へクルマで1時間半ほど。この国定公園内にある『丹波ワイン』は、地中海の気候に似た瀬戸内海式気候によって育まれるブドウを主原料とした、“和食に合うワイン”をテーマに掲げるワイナリーです。

1979年創業。照明器具メーカーを営んでいた故・黒井哲夫氏がワイン事業をはじめたきっかけは、海外のカフェや駅のホームで飲んだ気軽なワインのおいしさに驚いたから。しかし、同じものを日本に持ち帰って飲んでも感動がよみがえらない。それは食文化の違いにあるのでは……と考えた黒井氏。であれば自分が暮らす京都の食に合うワインをつくろうと。試験醸造は近隣にある日本酒の酒蔵を借り、山梨などワイン造りで先行していた地から技術者を呼んで創業。

高原のため真夏でも夜は20℃前後で熱帯夜にならない。この寒暖差こそがぶどうの栽培に適しており、現在は試験栽培も含めると実に50もの品種を栽培。この中から10種程度のブドウがワインとして醸造されています。そのほかの品種もこの土地に適しているのか10年単位で見極めていくそう。

また、苗木から自社でつくり、除草剤は使わず、夏に刈り取った雑草はそのまま土にすき込んで有機肥料として土に還す。土壌や気候に加え、こうしたつくり手の想いと営みがワインの味わいとなり、黒井氏の求めた「食文化に根差した地ワイン」へと結実しています。

6ヘクタール、4エリアの広大な土地に整然と並ぶブドウの木。ワイヤーに添えられた枝からはずっしり実をつけたブドウの房が垂れている。
収穫はお盆明けから。ソーヴィニヨン・ブランやピノ・ブラン、シャルドネといった白ブドウからはじまり赤ワイン品種へと、11月頃まで順次手摘みで収穫される。
発酵の香りに満たされた醸造所内。3週間ほどの発酵で10~15度のワインが誕生する。
室温16~18度に保たれた熟成庫には樽や瓶詰が整然と並ぶ。瓶内熟成は半年から4年ほどで店頭に並ぶ。
京料理はうす味のだし文化で、合わせるワインは控えめの風味を求められる。自社農園産のピノ・ブランを使った柔らかな味わいの〈京都丹波 ピノ・ブラン〉2,970円(750ml・税込)はそのひとつの答え(左)。〈京都丹波 ピノ・ノワール ロゼ2021〉3,850円(750ml・税込)は果実味と酸味がバランスよく広がる。

自社栽培ブドウの醸造は秋からはじまっていますが、タンクが空くシーズンはオーストラリアなど南半球のブドウや自社以外の契約農家に栽培を頼んだブドウなどでも醸造を行い、手頃な価格帯のものからこだわりの少量生産まで、多彩なワインがつくられています。

心地のいい風が吹く畑を歩き、ワインのできる醸造所内の見学が終わったら、お気に入りの味に出合うべくテイスティングスペースへ。その奥に併設されたレストランでランチとともにワインを楽しむのもよし。もちろんショップには『丹波ワイン』のシグネチャーからワイナリー限定品まですべてがラインナップされていますよ。

テイスティングコーナーでの少量試飲は無料。たっぷりグラス一杯も300円均一(税込)で楽しめる。
窓一面にブドウ畑を望むレストランは一段低く設計され、たわわに実るブドウを見ることができる。
フランスや東京で研鑽を積んだ木戸瞬介シェフ。ブドウ畑を見渡す屋外の『ヴィンヤードグリル』では地元農家の野菜や近隣の猟師が捕獲したイノシシ肉やシカ肉を使ったバーベキューを提供する。
『レストランduTamba』の地元食材をたっぷり使ったプレートランチ。丹波のお米でいただく〈和牛すじ赤ワイン煮込みカレー〉(1,500円・税込)は定番メニュー。タンニンの強い〈京都丹波 タナ〉を合わせて。
常連客は数本ではなく箱買いしていく人も多い。ワインのおともになるサルシッチャなどの加工肉、地元の食材や輸入食材も扱う。
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日本三景を眺める風光明媚なブドウ農園...
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おとなの週末Web編集部
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