関東では「千住ネギ」に代表される、「根深(ねぶか)ネギ」といわれる長ネギが主流です。一方、関西では「九条ネギ」などの「葉ネギ」といわれる「青ネギ」をメインにいただきます。でも今はいろいろなネギを食べられる、いい時代になったなぁとうれしい限り。
今回も、埼玉県行田市『PAZZO-DI-PIZZA GYODA(パッツォ・ディ・ピッツァ・ギョーダ)』のオーナーシェフ・岡田英明さんと、埼玉県羽生市で『Bonz farm(ボンズファーム)』を経営する農家・大貫伸弘さんに長ネギについてお話を伺いました。
『PAZZO-DI-PIZZA GYODA』で人気のネギメニューとは
――イタリアンで長ネギを使うの? と思ったのですが、『PAZZO-DI-PIZZA GYODA』に初めて来たとき、気になってまずオーダーしたのが「ネギとパンチェッタのピッツァ」(1100円)でした。
岡田:初めていらしたお客さんにも「これが有名なんだよね」と言われたことがあります。「そうなの⁉」と思いましたが(笑)、確かに他ではやりそうでやらない組み合わせですよね。
大貫:ネギのシャキシャキしている部分がみずみずしくて、香りもしっかりと感じられます。火が入って甘い部分とちょっと辛みがある部分も混じっていて、ネギのいろいろな美味しさがひと口で味わえるところが魅力です。
――この見た目の無骨な感じもいいですよね。
岡田:ピッツァ1枚で1/2本弱ほどのネギを使っています。ボンズさんのネギがあるときはメニューに記載していますし、他には深谷や妻沼のネギで出すこともあります。
大貫:ネギがみずみずしすぎると、味のインパクトが出ないかなと思いましたが、そんなことないですね。
岡田:スーパー等で買ったネギだと、もっと香りが激しく主張してきます。ボンズさんのネギは甘みがあって香りも程よいんですよね。
大貫:ネギの甘みをパンチェッタの塩気が支えていて、すごくバランスがいいですね。
岡田:そうですね。パンチェッタは基本手作りしていますが、なくなってしまうとイタリア産のものを使うときもあります。
――ボンズさんの野菜は味が濃くて美味しいということに終始してしまうのですが、ネギの甘みと香り、それに生地の香ばしさも加わり、人気なのも納得ですね。