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隣の人が食べていると無性に気になってしまう。そんな料理の代表例がここで紹介するカツの三大メニュー、今回はカツカレー特集です。時代とともに変化していく“いまが旬のおいしさ”をチェックしてください。

個性派続々でますます楽しい

カツとの相性の良さで玉子と並ぶのがカレー。これまでも数々の名品を紹介してきたが、今回は“こんなおいしさもあり!”的な個性派を紹介!

カツカレーだって自由でいいじゃない

「カツカレーには日本のカレーじゃないとね」という声をよく聞く。でもね、これだけカレーが多様化しているんだから、今までとは違う個性的なカツカレーがあってもいい頃だ。

とんかつはそもそもフランス生まれの日本育ちだし、なかなかの万能派だから、きっとなんだって受け入れる懐の深さがあるはず。そこで探してみたらちゃんとありましたよ、新しい可能性をもたらす4軒が。

まずはフランス風。フレンチで修業した『TAKE』店主の竹内さんは、以前働いていた店で欧風カレーを出していたこともあり、独立するときにメニューに加えようと思ったという。

「いわゆるカレーはフランスにないんですけどね」と苦笑い。フレンチの技法を生かしたルウは、フォンドヴォーや赤ワイン、3時間炒めて溶け込んだ玉ねぎがベースで、ひと口味わえば奥深い旨みが広がり、そこにスパイスが重なるように際立ってくる。

『ビストロとサカバTAKE』ハーブ豚とキノコのカツカレー「ボルドー風」 1000円(平日ランチ)

『ビストロとサカバTAKE』ハーブ豚とキノコのカツカレー「ボルドー風」 1000円(平日ランチ) キノコの素揚げやさつまいもチップスなど具も個性的

サラリとしているが10種のスパイスやチャツネ、隠し味の醤油少々が全体をうまくまとめている。フランスには確かにカレーはないけれど、とんかつのルーツとなったコートレットがある。

仔牛肉に衣をつけて揚げ焼きにした料理だが、そのイメージで豚肉を叩いて薄く延ばし、カリッと揚げたとんかつに仕上げていて、フランス育ちを感じさせるのだ。さて、次にいこう。

ハムカツだってカレーにのってみたい。そんなハムカツの野望(があったかどうかは知らないが)を実現し、ありそうでなかったハムカツカレーが誕生した。作ったのはランチでカレー、夜はバーとして東南アジアから中東まで幅広い国のつまみに出合える新富町『カドノ』の店主・出倉吾朗さん。

カリッと揚がったハムカツをのせたカツカレーはマカロニサラダ付き、ライスは型抜きで「イメージは町の洋食屋風かな」と出倉さん。ハムカツにはらりとかけたソースの香りが食欲をかきたてる。

『Wine & Curry Stand KHADONO(カドノ)』自家製無添加ハムのカツカレー 1550円(月曜ランチ)

『Wine & Curry Stand KHADONO(カドノ)』自家製無添加ハムのカツカレー 1550円(月曜ランチ) 野菜もたっぷりで健康的。ツヤツヤのご飯は長野産コシヒカリ

おじさん大好きな洋食屋の懐かしさと、どこかインドのターリー的な付け合わせがミックスしていて面白い。ハムカツは5ミリにスライスしたハムに衣をつけてパリッと揚げた王道スタイル。

なれど、実は国産豚肉で作った自家製ハムだから滋味があってくどくない。ベースのカレーは『カドノ』の定番・自家製キーマだ。『ハムカツカレー』は月曜ランチ数量限定で登場する。

ところで、カツカレーは日本生まれだが、タイにもあるのだろうか?そんなことを想像したのは『ウータン食堂』のカツカレーが本格的なグリーンカレーだったから。

「タイには色んなフュージョン料理があるみたいですけれど、カツカレーはまだないんじゃないかな」そう言って店主の牧野さんは笑った。2年半前から代々木上原にあるバーを間借りしてアジア食堂を開いている。

「香港のタクシー飯」など多国籍な料理が並び、本場さながらの香辛料の香りがプウンと漂う。「実は、どんどんアレンジしているうちに、今では妄想アジア風というか…」。つまり牧野式アジア料理というわけ。そんなこともあって、タイカレーでカツカレーを作ってみようと思いついたのだとか。

『ウータン食堂』カツカレー 1300円

『ウータン食堂』カツカレー 1300円 爽やかな辛さとまろやかなココナッツミルクのグリーンカレーにとんかつをのせて。別料金でパクチー追加もOK

とんかつはいわゆる日本式のもの。タケノコが入ったグリーンカレーにはココナッツミルクのトロリとした甘みがあり、意外にもカツと相性がいい。いわゆる日本のカレーよりもカツに寄り添う優しさを感じさせるのだ。

ご飯はタイ米と日本米をブレンドしているというから、グリーンカレーともカツとも相性がいい。カレーはほぼ週替わりで、グリーンカレーにカツがのるのは10月15日から。カツは他の料理にもトッピング可能だ。

最後はサンゴ礁の海に浮かぶ無人島のような美しきカツカレー。『恋とスパイス』はインドカリーの老舗・新宿中村屋が監修したカレー店だ。小粋な店名は新宿中村屋の歴史として知られる、インドの革命家ラス・ビハリ・ボース氏と俊子夫人の恋に由来する。

『恋とスパイス 新宿中村屋 グランスタ東京店』カツカリー 1280円

『恋とスパイス 新宿中村屋 グランスタ東京店』カツカリー 1280円 少し粗めのパン粉を使った、サクサクの衣が特徴

ソースの決め手は甘みのある淡路島産の玉ねぎをしっかり炒めていること。この店のために配合したスパイスは香りよく、ややインド寄りのサラリとしたテイスト。スリランカ風のふりかけボル・サン・ボーラをかけて、サクサクのカツの衣にアクセントを加えている。

付け合わせのキャベツのマリネやほうれん草炒めと混ぜるほか、辛味スパイスやカレーリーフが香るスパイスオイルを途中で加えると、無限に変化を楽しめる。水の替わりにカルダモンウォーターを出すのもおいしく食べて欲しいという、深いカリー愛を感じさせるのだ。

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『ビストロとサカバTAKE』 @富ヶ谷 フランス版カツカレー...
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おとなの週末Web編集部
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