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長崎県南島原市が提案するのが日頃の疲れを癒し、嫌なことを水に流す「心浄化旅」。「なんだか許せないことや後悔していることを南島原で水に流しませんか?」と迷える子羊たちを導くようなコースを実際に体験してきた。その前編です。

羽田から長崎へ、空路で1時間半

羽田空港から長崎空港までは約1時間半。そこから車で南下し、南島原市を目指します。まずは地元で人気の島原手延そうめんの名店「山の寺 邑居(ゆうきょ)」へ。緑に囲まれた開放的なお座敷で流しそうめんをいただける。

緑に囲まれた高台にある地元の名店「山の寺 邑居(ゆうきょ)」

旅のしおりには「わだかまりもそうめんのようにさらさらと流せるはず」と指南。たしかに内側から清められそう。旬の地野菜をからりと揚げた天ぷらも絶品。10月末からは鍋の季節になるが、流し素麺の台は数卓残し、年間を通じて流しそうめんを楽しめる。秋には紅葉も見事だそう。

丸テーブルの水に流す、手延べそうめんは1人前660円。地野菜の天ぷらは1人前880円

世界遺産「原城跡」に隣接した温泉

そこから車で10分ほどの距離にあるのが「内野水源」。水の神様を祭る内野水源神社の脇にある湧水で、その場で飲み、容器を持参すればお水を汲める。澄んだ清水に、のどの渇きも、心の渇きも潤いそう。そこから南に位置する「鮎帰りの滝」もまたマイナスイオンに癒される。高さ約14m、幅約2mの美しい滝で、滝つぼで泳いだり、滝の上の一枚岩の岩場ではすべり台のようにして遊ぶこともできる。

ところで南島原市には列車が通っていなく、自然に囲まれた小路も多い。そのため、マイクロバスでも通りにくい難所も多く、小回りの効くコンパクトな車を借りるのがおすすめ。高台では有明海を望めたり、山あいの景色がどんどん変わり、運転そのものがアクティビティになる。

週末にはお水取りにくる人で行列ができるという「内野水源」。豊富な湧水に圧倒される
階段を降り、滝のすぐ近くまで行ける「鮎帰りの滝」。滝の上から眺めることも可能

宿泊は世界遺産「原城跡」に隣接した「原城温泉・真砂」へ。全客室、有明海に面したオーシャンビューで、天草の島々を眺めながら、心と体をほぐそう。水平線を見渡せる絶景風呂は地元の人も通う日帰り風呂でもあるので、こころ温まる交流もあるだろう。ナトリウム炭酸水素塩泉の泉質はずっと入っていられるようなやわらかなお湯。個人的には優しい打たせ湯に癒された。海の中に漂うように、ゆるやかな時間を過ごせるだろう。

夜明けの有明海。「原城温泉 真砂」の絶景風呂からも見渡せる
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