都内のうなぎ店を取材する中で、うなぎの産地を聞くとよく名前が挙がるのが、愛知県の「三河一色産」。実力店がこぞって指名するが、その産地を訪れたことはなかった。そこで、愛知在住のライター・永谷氏が養鰻場へ。
「愛知県の絶品 《三河一色産うなぎ》 名店がこぞって“指名買い”する 「旨さの秘密」 を 『おとなの週末・ うなぎ調査隊』 がリポート」に引き続き、一色うなぎの名店と共に、名産地の今をお届けします。
養鰻場のうなぎを組合直営店で食す
『うなぎ処 いっしき』一色うなぎ漁業協同組合直営のうなぎ料理店として2019年6月にオープン。備長炭で焼き上げる技術やバランスのとれたタレの味付けは、かつて「一色さかな広場」内に出店していた直営店から継承。
定番の丼やお重、ひつまぶしの他、注目したいのは、2020年にオープン1周年を記念してメニューに加えられた「わさび菜まぶし」(3600円)。
ご飯に敷き詰められたわさび菜のお浸しの爽やかな辛みがうなぎのおいしさを引き立てる唯一無二のメニューだ。
平日でも行列必至の人気店
一色で養鰻から加工、販売まで手がける兼光グループの直営店。料理に使用するのは、自社と提携先の養鰻池から池揚げされた中から厳選した脂ノリの良い大きなうなぎ。
焼きにこだわり、強火で焦げ目がつく寸前まで焼き上げることで、身はふんわりと皮はパリッと仕上がっている。
旨みとともに口の中いっぱいに広がる皮と身の間にある脂を堪能するには、やはり丼だ。人気は8尾分の肝焼きがのる数量限定の「うな肝丼」(3300円)。深いコクのある肝焼きと蒲焼きを同時に食べるのがおすすめだ。
うなぎ職人が考案したコース料理が秀逸
養鰻業が盛んでありながら、うなぎ専門店がなかった一色で2009年に初めて出店したのが『みかわ三水亭』本館だ。2017年にオープンしたはなれは、全席個室で要予約。慶事や法事の食事会や接待などで重宝されている。
本館と同様にひつまぶしやうな丼なども用意しているが、はなれで提供されているのが「鰻尽くしの和コース『 花』」(6000円)などのコース料理だ。
「うなぎの干物」や「うなぎの餃子風」、「うな茶そば」など、うなぎを知り尽くした職人が趣向を凝らした全6品の創作料理を堪能できる。