旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■脂控えめ
正解:ゴマサバ
難易度:★★★☆☆
夏も美味しいサバです
腹側にゴマを散らしたような模様があることが特徴的なゴマサバ。スズキ目サバ科に分類される海水魚です。その見た目からその名がつけられました。
一般的に日本で「サバ」と呼ばれる魚はマサバとゴマサバに大別されます。マサバは体つきが扁平なのに対し、ゴマサバは体の断面が丸いため、マルサバとも呼ばれます。ちなみに、マサバはヒラサバとも呼ばれます。
一般的にマサバの旬は秋から冬にかけてですが、ゴマサバはマサバより高温の水域を好むため、夏に漁獲量が増えます。
そして、夏から秋にかけても味が落ちないという理由から、ほかのサバが出回る量が少ない6月から9月頃が旬といわれています。
マサバより脂肪が少ないため、さっぱりとして味わいです。個体差がありますが、マサバよりも身はやわらかといわれます。ただし、冬に獲れるもののほうが脂ののりはよくなります。
脂肪が少ないほうが良質なものが作れることから、サバ節の材料となるのはゴマサバです。脂質の多いサバを節にすると節の硬さが不十分となり、出汁も濁りや雑味が出やすくなるからです。
マサバも同様ですが、サバの生食には注意が必要です。その理由は、アニサキスに寄生されている個体が多いためです。アニサキスは生きたまま体内に入ると、激しい痛みやおう吐を引き起こすという恐ろしい寄生虫です。食中毒の発生原因の約40%を占めるといわれています。
酢漬け、塩漬け、醤油、わさびでアニサキスは死滅しません。実際、しめさばが原因のアニサキスも発生しています。そのため、塩焼き、竜田揚げ、味噌煮など、加熱調理をして食べるほうが安心といえます。