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スズキジムニーの5ドアモデル『ジムニー ノマド』(税込2,651,000円~)が2025年1月30日に発表された(発売は4月3日)。ところが2月3日にスズキは「販売計画台数を大きく超える約5万台のご注文をいただいています。この状況を鑑みて、ご注文の受付を一時的に停止させていただきます」という発表を行った。ジムニーは国内で生産されているが、このノマドのみはインド生産の輸入車となっていて、月に1200台を販売する計画だった。この人気の秘密はどこにあるのだろうか?

ジムニーの魅力は、走破性最優先の尖ったコンセプトにあり!

オフロード性能と利便性を兼ね備えた、5ドア版『ジムニー ノマド』(消費税込2,651,000円~)

自動車と書いてクルマと読む、クルマを愛する者はえてして「自由にどこにでも行ける」という褒め方をするが、そこには大前提として「整備された道があれば」「購入・維持できる収入があれば」という条件が含まれている。

スズキ・ジムニーは、これら暗黙の不自由からもドライバーを開放する、最も現実的な選択肢だ。道なき道を自ら切り開き、比較的安価で購入・維持できるジムニーは、BEVやPHEVが持て囃される現代の風潮の対局にある。時代を超越した価値観こそがジムニーを輝かせているのだ。

5ドア版『ノマド』は、1.5リッターの小型乗用車

後席や荷室にも充分な広さが確保されているが、乗車定員は4人だ。後席は足元が広くなったうえに、シートの快適性もアップ。

ジムニーといえば『軽自動車規格のオフロード四輪駆動車』として知られているが、5ドアの『ノマド』は軽自動車規格に収まらず、小型乗用車扱いだ。

悪路走破性を優先した軽自動車版ジムニーの内部は、4人分のシートを並べるだけでも精一杯の狭さ。そのまま5ドア化したところで実用性は向上しない。『ノマド』が小型乗用車サイズなのは合理的だ。

ジムニーには既に、1.5リッターエンジンを搭載した3ドア小型自動車版『ジムニー シエラ』が存在している。このシエラをベースに『ノマド』は全長を伸ばすことで、後席にも充分な広さが用意できた。この広さがあってこそ役立つ5ドアなのだ。

靴に例えるならジャングル・ブーツ。オフロードに特化した構成だが、現代のジムニーは舗装路も走れる。

最低地上高は大きく確保され、5ドアでも走破性は抜群だ。

大柄になったボディは車両重量1180kgに達しているので、1.5リッター102馬力のエンジンは必須。レギュラーガソリン仕様なのが財布に嬉しい。現行のジムニーはすべてレギュラーガソリン仕様であり、オクタン価の低いガソリンしか手に入らないような国でも走れるように配慮されている。

1.5リッタ-102馬力のエンジン。レギュラーガソリンで走れる。

過酷な環境を前提にした構成は、車体のあらゆる部位に及んでいる。最大の特徴は堅固なラダー(ハシゴ型)フレームで、一般的なモノコック構造ではない。足回りは前後ともリジットアクスル。これも走破性最優先なればこそだ。

ノマドとシエラのラダーフレーム

なお、シエラに対してノマドは100kg重くなっているが、プロペラシャフトの延長と強化に加え、ラダーフレームにセンタークロスフレームとサイドフレームリーンフォースが追加されているためだ。大型化に対応てボディ剛性が強化されている。

トランスミッションは副変速付きの5速マニュアルと4速ATが購入時に選べる。4速ATはこの排気量で一般的なCVTではなく、ホコリやトラブルに強いトルクコンバーター式。こちらの方がエンジントルクを増強する特性があるので、オフロード性能を高める効果がある。

すべてがオフロードの走破性優先なのはジムニーの伝統どおりだが、『ノマド』では一点、オンロードで有利になる改変が加わった。5ドア化のために前後輪間の距離が広がったことで、直進安定性は向上している。その一方、ランプブレークオーバーアングル(『亀の子』状態になる角度)は僅かに犠牲になっているので、このあたりの違いも、3ドアか5ドアかを選ぶ材料になりそうだ。

後席の乗り降りには広い空間が用意されている。
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最新の運転アシストを装備。ジムニーさえあれば、どこまでも行け...
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深澤 紳一
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