ただ甘いだけじゃない。素材や形、色合いで季節感までも楽しませてくれるのが、日本の甘味なんです。時代劇に欠かせぬ茶屋での定番は、令和になってもみんなに愛され続ける。今回は、昔ながらの逸品から斬新な味わいのものまで、甘味の定番“団子”を紹介します。
手間ひまかけて作られる、シンプルで洗練された団子『羽二重団子本店』@日暮里
1819年に創業。初代店主が茶屋を開業して売り出した団子が、きめ細かく、まるで羽二重のようだと評された。これが「羽二重団子」の名の由来だ。
羽二重だんご(煎茶付)2本660円
平たい形が特徴で、餡団子と焼き団子とで生地を作り分けている。水分量や、搗く回数を変えた結果、餡団子は、こし餡と共に団子がとろけていくような食感に。焼き団子はしっかりと歯応えが感じられる硬めの仕上がりになっている。
羽二重団子は、夏目漱石や正岡子規など数多くの文化人にも愛されてきた。焼き団子と酒を楽しんだ岡倉天心が、酩酊して帰宅せず大騒ぎになったという逸話もあり、それにちなんだ「天心セット」も店内の喫茶でいただくことができる。
きりりとした醤油味の団子にフルーティで軽快な日本酒が良く合い、堪えられない旨さだ。
七代目:澤野修一さん「「どこよりも手間をかけて」という、先祖からの教えを守り続けています。」
[店名]『羽二重団子本店』
[住所]東京都荒川区東日暮里5-54-3
[電話]03-3891-2924
[営業時間]9時半〜11時、12時〜16時半(16時15分LO)、土・日・祝:10時〜16時半(16時15分LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか日暮里駅南口から徒歩5分