「12月10日」。今日は何の日でしょう?答えは「ノーベル賞授賞式」!毎年12月10日に開催されるノーベル賞授賞式。この日はダイナマイトを開発したスウェーデン人の化学者で事業家のアルフレッド・ノーベル(1833~96年)の命日です。物理学、化学、生理学・医学、文学、平和、経済学の6部門。1901年から始まり、授賞式はスウェーデンの首都ストックホルムのコンサートホールで、平和賞はノルウェーの首都オスロの市庁舎で行われます。
2025年、日本にもうれしい知らせが!
2025年、日本にもうれしい知らせがありました。今年のノーベル生理学・医学賞に坂口志文さん(74)が、化学賞に北川進さん(74)が選ばれました。10年ぶりの日本人ダブル受賞となりました。授賞式には2人揃って出席する予定で、現地の日本大使館で開かれたレセプションで講演も行いました。
大阪大学特任教授・栄誉教授を務める坂口さんは、過剰な免疫応答を抑える「制御性T細胞」という新しい細胞を発見した研究成果が受賞の対象となりました。自己免疫疾患やがんなどの免疫に関連する病気の治療と予防への応用が期待されています。
坂口さんは滋賀県出身で、1983(昭和58)年11月に京都大学大学院医学研究科博士号取得。その後渡米し、1987(昭和62)年7月にスタンフォード大学で客員研究員となりました。1995年(平成7年)に帰国し、複数の研究所を経て大阪大学特任教授となり、研究に打ち込みました。2019(令和元)年には、「制御性T細胞」の役割を解明してきた研究成果を評価され、科学技術や芸術など文化の発展や向上に貢献した者に授与される文化勲章を受勲しました。
京都大学京都大学理事・副学長を務める北川さんの受賞理由は、「金属有機構造体(MOF)」の開発です。特定のガスの吸着や貯蔵、分離を自由にできるこの構造は、環境や産業などの多分野での応用が期待されています。
北川さんは京都市出身で、1979(昭和54)年に京都大学大学院工学研究科博士号を取得。同年から近畿大学理工学部で講師や助教授となり、その後大学や研究所の教授を経て、2017(平成29)年から現在に至るまで、京都大学高等研究院特別教授を務めています。2024(令和6)年からは京都大学京都大学理事・副学長を務めながら、研究を続けています。2011(平成23)年には科学技術分野の文部科学大臣表彰における科学技術賞研究部門を受賞しました。
世界が平和でありますように!
ノーベルのダイナマイトの発明は彼が考えていた以上に、兵器の開発や製造など軍事技術にも影響を与え、世の中を変えていくことになりました。皮肉にもその発明で巨万の富を得たノーベルでしたが、約3100万スウェーデンクローナ(現在の価値で約360億円)の遺産を財源として、国籍の差別なく「人類に最も大きな貢献をした人」に贈るというノーベル賞を創設したのです。
今も世界のあちこちで戦争が続いています。ノーベルの真の思いが世界に届くことを、願わずにはいられません。
※トップ画像は、Антон Скрипачев – stock.adobe.com

