どこに行っても山また山。北アルプスにぐるり囲まれた、人口約2万の小さな飛騨市。縄文人が暮らし飛騨の匠を生んだ豊かな森は今、宇宙物理学や石棒の聖地となった。けれど人の暮らしは今も変わらない。飾らず、気負わず、自然体。飛騨は遠い。それでも行くのだ。
【白石あづさのワンダートリップ】日本全国の不思議な町を訪れる不定期連載の第一回は、岐阜県飛騨市へ。神岡のガッタンゴーや科学館、縄文人の愛した宮川、「飛騨の匠」の技術が光る古川を巡ります。
町人文化が息づく白壁の美しい町「古川町」
調和がとれた古川の美しい町並みの秘密は、“そうば”を守る人の心にあり?
さあ旅の最後の町、飛騨古川へ。白壁土蔵と柳並木の間を美しい瀬戸川が流れる。お隣の飛騨高山にも似た町並みだが、少し雰囲気が違う。バケツを持って歩くお母さんや、ひと息つくお惣菜屋のおじさん……。土産物屋が並ぶテーマパークっぽさはなく、そこかしこに生活感が漂っている。
そんな町でぜひ味わってほしい料理がある。河合町などで採れる薬草を使った『蕪水亭』の薬草ミニ会席だ。最近、新板長に就任した北平一樹さんが食後に顔を出してくれた。
『蕪水亭(ぶすいてい)』ランチ3300円
「脱サラして飛騨に来たのは遠距離恋愛だった妻、瑠実を愛していたからです(照)。でも料理の基礎も知らないのに和食どころか、義父から引き継がねばならないのは雑草を使った薬草料理!薬草ってゲームの世界のお助けアイテムでしか聞かない単語だったので大いに戸惑いました」と笑う。
派手さはないが山の恵みが存分に感じられる絶品小鉢の数々は、疲れた私のお助けアイテムとなって、すっかりライフポイントが回復した。













