旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■シャキシャキ
正解:茎レタス
難易度:★★★★☆
レタスとはまったく違う食感です
茎レタスという野菜の名を聞いて、即座にその姿を思い浮かべられる方はかなりの野菜通かもしれません。実は、中華料理の突き出しなどで出てくる、あの鮮やかな緑色をしたコリコリとした食感の「山クラゲ」は茎レタスを乾燥・加工したものなのです。
茎レタスは、私たちが普段サラダで口にする丸いレタスとは異なり、長く伸びた「茎」の部分を主役として食べる、少し変わったレタスの仲間です。
その歴史を遡ると、原産地は地中海沿岸から西アジアにかけての地域であるとされています。
レタスの仲間自体は非常に古くから栽培されており、古代エジプトの壁画にもその姿が描かれているほどですが、茎を食べるために特化したこの品種は、シルクロードを経て中国へ渡ることで独自の進化を遂げました。
中国では「チシャ」を意味する「萵(ウォ)」と、タケノコのように茎を食べることから「筍(スン)」を組み合わせて「萵筍(ウォスン)」と呼ばれ、宮廷料理から家庭料理まで幅広く愛される国民的な野菜となりました。
江戸時代頃に伝わったともいわれていますが、当時はあまり普及せず、本格的に食卓にのぼるようになったのは、近年の中国野菜ブームや、乾燥加工された山クラゲとしての流通がきっかけでした。
旬の時期については、地域によって多少の差はありますが、一般的には春の4月から6月にかけてと、秋の10月から12月頃の年2回、旬を迎えます。
春に収穫されるものはみずみずしく柔らかな食感なのに対し、秋に収穫されるものはじっくりと育つことで茎が太く、風味がより濃厚になる傾向があります。
茎レタスの最大の魅力は何といってもその独特な食感にあります。
レタスという名前は付いてはいますが、味わいはブロッコリーの芯をもっと上品にしたようで、アスパラガスに近い独特の風味をあわせもっています。
皮を厚く剥くと現れる翡翠のような美しい緑色は、食卓に彩りを添えるだけでなく、目でも楽しませてくれます。
もっとも手軽で茎レタスの良さが引き立つ料理は和え物です。皮を剥いて細切りにし、さっと塩もみしてから、ごま油と塩、あるいはしょう油とラー油で和えるだけで、最高の酒の肴になります。
また、中国の家庭料理の定番である炒め物も外せません。豚肉や卵と一緒に強火で手早く炒め合わせることで、茎レタスのシャキシャキとした食感を残しつつ、具材の旨味が茎の中に染み込んで、ご飯が止まらない一品に仕上がります。
乾燥させて「山クラゲ」にする場合は、収穫した茎を細長く裂いて天日干しにします。
茎レタスは一般的なスーパーで見かけることは稀ですが、生のものを探すなら中華食材専門店や、長野県などの産地にある道の駅、農産物直売所を覗いてみるのが近道です。とくに収穫時期には、地場野菜コーナーに並ぶことがあります。




