おかげさまで『おとなの週末』は創刊から25年を迎えました。そこで、創刊した2001年以降にオープンしたお店から本誌スタッフが「未来に遺したいひと皿」をセレクト。編集・ライターそれぞれが、思い思いの料理を挙げました。今回は、ライター・菜々山いく子編。日頃ご愛読いただいているみなさま、そして本誌が歩んできた25年の間に生まれたお店に感謝を込めてお届けします。
ライター・菜々山いく子
創刊時から本誌のファンで別の出版社を退職後、伝手をたどってこの編集部のライター陣にすべり込んだのが22年前。こんなに長く飲食を取材していても、毎月新鮮な驚きと発見があるから、『おと週』はやめられない。思い出深い取材はレトルトカレー150種類の食べ比べ。
海苔の旨みと香りに心がほぐれる、守りたい江戸の味『蕎麦カネイ』@西荻窪「花巻」
『蕎麦カネイ』との出合いは2022年の1月号。最初は頬の奥がキュッと引き締まるような、旨口のツユでいただく「ざる」に惚れ込んだっけ。
それから時折通いだし、やがて興味は温蕎麦へ。スパイシーなキーマ餡が絡む「カレー」も好きだけど、究極がこの「花巻」。
花巻 1350円

まず、漆の蓋を開けたとたんに湯気に乗って磯の香りがやってくる。それを愉しみつつ、海苔で包んでずるっとやれば、濃口醤油を効かせた伝統的なツユとふくよかな蕎麦、海苔の旨みが正円を描くかのように調和していく。
環境の変化もあって、海苔を取り巻く世界はどんどん厳しくなるけど、なんとか守っていきたい粋な種物だ。
南インドのミールスやビリヤニ。今じゃ誰しも知る料理となったけど、これを世に広めたのが『エリックサウス』(だと思っている)。
初めて取材に行ったのが、2011年のオープンから数年後のこと。鮮やかなスパイス使いや、複数のカレーを混ぜて食べるってことも新鮮だった。だから今でも私的カレー界の絶対エースはこの店と決まっている。
創刊時から10年くらい前まで本誌でよく行っていたのがジャンルごとのランキング。チャーハン、餃子、生姜焼き……。私もいろいろやりました。
麻婆豆腐特集で、味部門の1位に選出したのが『珍々』のそれ。重慶出身のお母さんが、家庭の台所にあるような普通のコンロでちゃっちゃっと作っているのに、たまげるほどの出来栄え!これは麻と辣が織りなす味の工芸品と言えるでしょう。
『蕎麦カネイ』店主:池田暁史さん
[店名]『蕎麦カネイ』
[住所]東京都杉並区西荻南3-16-5
[電話]非公開
[営業時間]11時半〜20時(19時半LO)
[休日]水、第2・4火
[交通]JR中央線ほか西荻窪駅南口から徒歩2分
『エリックサウス 八重洲店』@東京駅
[店名]『エリックサウス 八重洲店』
[住所]東京都中央区八重洲2-1八重洲地下街中4号 八重洲地下街2番通り
[電話]03-3527-9584
[営業時間]11時〜22時(21時半LO)※土・日・祝は〜21時半(21時LO)
[休日]施設に準ずる
[交通]JR山手線ほか東京駅八重洲地下中央口から徒歩5分
『四川家庭料理 珍々(ぜんぜん)』@小岩
[店名]『四川家庭料理 珍々』
[住所]東京都江戸川区西小岩4-9-20 島村ビル
[電話]03-3671-8777
[営業時間]11時〜14時(13時半LO)※木・金・土のみ、18時〜22時(21時LO)
[休日]日
[交通]JR総武線小岩駅北口から徒歩10分
撮影/貝塚 隆(蕎麦カネイ)、浅沼ノア(エリックサウス)、西崎進也(珍々)、取材/菜々山いく子
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
※画像ギャラリーでは、カレー界の絶対的エース!『エリックサウス』の画像をご覧いただけます。
※月刊情報誌『おとなの週末』2026年8月号発売時点の情報です。

■『おとなの週末』2026年11月号は「おいしい坂道散歩 神楽坂」






