【週末に、昼から、深夜まで こだわりの酒肴も揃えた呑める蕎麦屋でグビッと一献】昼酒。なんと魅惑ある響きだろう。昼の営業が少ない居酒屋では難しいが、蕎麦屋は別。昼間からクイッと楽しめるとは、なんたる至福。さらに週末にも呑める、深夜まで呑める。しかもこだわり蕎麦まであるという店、揃えました!
画像ギャラリー【週末に&昼から】green glass(最寄駅:中井駅)
産地で変わる蕎麦を利き、酒と料理を味わう
もりそば 900円
蕎麦はふたつの産地を用意。取材時はソフトな風味の北海道産と香りも味もしっかりとした福井産
静岡おでん おまかせ盛り合わせ 1350円
魚粉を振りかけるのもお約束。日替わりのおでん種も
『green glass』店主の関根さんは名店「眠庵」で腕を磨き、産地の違う蕎麦の個性を引き出す技を学んだ。その違いを食べ比べる2種盛りはそば通も納得の味わいだ。
蕎麦前のハイライトは関根さんの出身地・静岡の郷土料理「静岡おでん」。一見素朴な料理に見えるがその実、滋味がこぼれる黒はんぺん、ちくわ、こんにゃくなどすべて混ぜ物のない種を吟味している。日本酒のほか、静岡のベアードビールや食後用に関根さんが集めたヴィンテージウイスキーもあるので興味があれば尋ねてみたい。
【週末に】晩酌や 月(最寄駅:吉祥寺駅)
旨いつまみに酔いしれるお忍び蕎麦居酒屋
手打ちそば 756円
3種の挽き方の違う蕎麦をブレンドした十割の細打ちはのど越しと香りの良さを併せ持つ
茨城産栗素揚げ 648円
素揚げした栗はホクホク。渋皮ごと食べるとより味が深い。
寛いだ雰囲気の『晩酌や 月』店内で楽しめるのは季節の酒菜や上質な刺身。さらに「たまごふわふわ」など、江戸料理のレシピを再現した粋なつまみがあるのも興味深い。
ご主人の手抜きのない仕事が何気ない酒菜にも命を吹き込み、食べれば思わず口元がほころぶ。日本酒やベルギービールなど酒は絞り込んで厳選したものばかり。〆は軽やかで酒の後にもするりと胃に収まる十割の細打ち蕎麦だ。
【週末に&昼から】蕎麦の膳 たかさご(最寄駅:牛込神楽坂駅)
手間暇かけた親子のこだわりの味に舌鼓
松 天せいろう 2030円
エビは天然物、野菜は無農薬という天ぷらを揚げる油には竹本の極上のものを使用。カラリと軽やかに上がり、胃もたれもなく、冷めても美味
鰊 甘露煮 830円
ふっくら煮あげたニシン。かけそばにのせて食すファンも
『蕎麦の膳 たかさご』では酒の肴となる一品料理は、ホテルで腕を磨いた4代目となる息子さんが主に担当。例えば「鰊 甘露煮」は48時間コトコトと煮て、箸で持ち上げるとホロリと崩れそうな柔らかさ。他の料理も同様で、どれも手間を厭わず丁寧に仕上げ、絶句させられる旨さ。
一方の蕎麦は3代目の宮澤さんが担当。蕎麦は主に青森県と秋田県の契約農家から届く同店のためだけのものを使用。石臼で微粉にし、その日の分だけ十割で打つこだわりよう。ゆえに蕎麦の前に酒と肴ではなく、まずは蕎麦、そして酒と肴という客も多いとか。旨いからこそのうれしい悩みがある店なんて、そうはない。
蕎麦切り 旗幟(最寄駅:上北沢駅)
か季節を映す蕎麦と料理が地元で愛される理由
天せいろ 穴子 1540円
ゴマ油が香る大きな穴子天はカリカリの骨煎餅付き
酒あて三種盛り 820円
まずはあて三種盛りを注文して、お酒を飲みながら何を食べるかじっくり考えるのも楽しいひと時だ
子供の頃から蕎麦屋になるのが夢だったという『蕎麦切り 旗幟』店主の佐藤さん。瀟洒な住宅街を後ろに控える上北沢で、口の肥えた地元のお客に磨かれて秀逸な料理と蕎麦を提供する。
ことに、職人が仕込む醤油屋へ足を運び、イチから構築したかえしで作るかけ汁は蕎麦との見事な調和に唸る。秋のきのこ蕎麦や夏のトマト蕎麦など季節ものを心待ちに通う客も多く、週末ともなれば常連が昼酒を楽しもうと手ぐすねを引いている。念願の独立を果たして8年目。地元で愛され、育てられた居心地のいい店だ。
手打ちそば やっ古(最寄駅:学芸大学駅)
しなやかな細打ち蕎麦と料理の憩いの空間
もり蕎麦セット(昼) 1620円
日曜日だけの昼メニューは蕎麦セットがおすすめ。桜エビのかき揚げ、その日で内容が変わる小鉢が2品。取材日は大根の煮物、おから、ピーマンのきんぴら、いわしの照り焼き。おろし蕎麦や胡麻汁蕎麦のセットも用意
自家製わさび漬け(かまぼこ添え) 630円
自家製のわさび漬けには、新潟の日本酒、「鄙願」の酒粕を使用
カウンター中心の落ち着いた店を切り盛りするのは可憐な女将。『手打ちそば やっ古』店主の西田さんは蕎麦の達人である石井仁さんの元で、銀座「古拙」、日本橋「仁行」という名店2店で修業を重ねた。
ごく細打ちでありながらコシがあるしなやかな蕎麦は師匠仕込み。石臼自家製分の十割蕎麦だ。日本酒と共に味わいたい蕎麦前は女性らしい優しくきれいな味わいで、体にスッと染みるよう。昼の営業は日曜だけだが、つまみになる小鉢が2品付いた蕎麦セットはひとりの昼飲みにぴったり。夜はおまかせコース(前日までに要予約)もあり、普段のメニューにはない料理と酒を心ゆくまで味わえる。
中野 いざ宵(最寄駅:中野駅)
厳選した日本酒と創作蕎麦が楽しめる新店
蔵王地鴨の坦々つけめん 1296円
ゴマの風味たっぷりで濃厚なコクとキレのある辛さがあり、二八で打った蕎麦との絡みも絶妙だ
柔らか牛すき煮 2106円
生卵 54円
かえしを使った割り下が山形牛の甘みを引き出している
『中野 いざ宵』は昭和30年に創業した杉並の蕎麦店「まん月」が、中野駅至近にオープンさせた。保冷庫に並ぶのは、全国から厳選した日本酒の1升瓶。その時々で入れ替え、常時50種~60種を揃えている。
和食出身の料理長が腕を振るったつまみも豊富で、「本日のおすすめ」では、刺身や焼き物など旬の魚介を使った一品料理も自慢のひと皿だ。〆の蕎麦では、せいろやかけの定番のみならず、豆板醤で辛みを利かせた「坦々つけめん」など、革新にもチャレンジしている。
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