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前回に引き続き、風光明媚な長良川鉄道編です。 全線で約72km、だいたい片道2時間の旅。 地元ごはんの「鶏ちゃん焼き」がおいしくて、3種類の料理法で楽しみました……。

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風光明媚な長良川鉄道で鶏ちゃん焼き/1987年~2019年

前回に引き続き風光明媚な長良川鉄道編。
長良川鉄道の魅力はなんといっても、長良川の風景です。
全線で約72km、だいたい片道2時間の旅です。
夏の間、青く澄んだ長良川では、川遊びや鮎釣りを見ることもあります。
1~2両の短い編成のディーゼルカーで風景を見ていると、2時間の旅はあっという間に過ぎてしまいます。

長良川に沿って走る魅力(2016年撮影)

もうひとつの魅力が標高の差です。
始発駅は、高山本線に接続する美濃太田駅で標高約70メートル。
終点の北濃(ほくのう)駅は約446メートル。
その差は、約376メートルです。
これだけ標高が違うと、季節の進み具合も変わります。
初夏のころなど、緑色の濃さが場所によって異なることを感じます。

賑わう川も見どころ(2007年撮影)

以前、運転士さんと話をしていると、
「この線を運転していると、下の桜の開花から、上の散り終わりまで1ヵ月以上楽しめるんだ」と言われていました。
そんな季節の変化を楽しめるのも魅力です。
もちろん、夏は終点に近づくほど涼しくなるのもありがたいですね。

長良川鉄道は桜の多い路線。標高差で長い期間桜が楽しめる(2017年撮影)

終点北濃駅は標高446メートル(2016年撮影)

北濃駅にはSL用のターンテーブルも残っている(2016年撮影)

長良川鉄道の撮影中に立ち寄った沿線の道の駅「美並」で見つけたのが、冷凍の鶏ちゃん焼き(けいちゃん)の肉「手作りけーちゃん(郡上みそ使用)」です。
鶏ちゃん焼きは、岐阜県で飛騨地方や美濃地方など、山間部の郷土料理。
鶏肉を味噌や醤油で味付けをしたもので、鶏版のジンギスカンといった感じです。

道の駅で見つけた鶏ちゃん焼きの肉(2018年撮影)

売店で作り方を聞きました。
野菜はなんでもOKとのことでしたが、どうも、マストは“ニラ”のよう……。
日中の撮影を終えて、具材を買って調理開始です。
昼に買ってクーラーボックスに入れておいた冷凍のけーちゃん
夕方には、いい具合に解凍されていました。
野菜はキャベツ、タマネギ、ニンジン、シイタケ、モヤシとニラです。

いろいろ野菜を刻む(2018年撮影)

いつものように、フライパン用のアルミホイルを敷いてから焼き始めです。

アルミホイルを敷いて焼き始める(2018年撮影)

肉に少し火が通ってから、タマネギとニンジン、シイタケの軸を入れて、さらに焼きます。

火の通りにくい野菜を投入(2018年撮影)

さらに、残りの野菜を炒めて完成です。

残りの野菜も投入して炒める(2018年撮影)

盛り付けて完成(2018年撮影)

最初に味付け肉を見たときには、がっつり濃い味かと思っていましたが、野菜を多めにしたせいか、ちょうどいい味加減になりました。
ほんのりとした味噌味とスパイスで、鶏のうまみも存分に味わえます。
ジンギスカン好きな私としては、味になじみもあって、お気に入り料理になりました。

長良川鉄道の見どころを紹介しつつ、さらに「鶏ちゃん焼き」を極めていく!

道の駅“美並”の近くには、長良川鉄道の“みなみ子宝温泉駅”があります。
この駅はホームと温泉が直結しています。
内湯はもちろん、いろいろな露天風呂が楽しめる温泉で、やわらかいお湯もいいです。
温泉の待合室には、列車発車までの時間の目安になる信号機もあって、長良川鉄道の撮影や旅のときには、ぜひ寄りたい施設です。

みなみ子宝温泉駅。
ホームのドアを入れば温泉入り口(2007年撮影)

待合室には列車までの
時間を知らせる信号機がある(2007年撮影)

ものすごく気に入った鶏ちゃん焼き。
実は翌日の帰りがけに道の駅に寄って、タレを購入しました。
タイプとしては味噌タイプと液体の2種類があったので、両方購入です。

鶏ちゃん焼きのタレ
2タイプを購入(2018年撮影)

家に帰ってから、さっそく調理開始です。
鶏肉の種類は、作り方を見ると、たくさんの部位を入れたほうがおいしいとのことでした。
モモと、ムネにせせり肉(首の肉)を加えました。

モモとムネに
せせり肉(左上)(2018年撮影)

タレは、味噌タイプが焼くときに入れる調理法。
液体は漬け込み用です。
まずは、すぐにできる味噌タイプから。
ひと口大に切った鶏を味噌と炒めます。
火が通ったところで、刻んだ野菜を加えてさっと炒めて完成です。
実に簡単!

味噌タイプ調理開始(2018年撮影)

野菜を加えて炒める(2018年撮影)

あっという間に完成(2018年撮影)

うどんと焼いてもおいしい(2018年撮影)

鶏ちゃん焼きは、鶏肉の部位をたくさん入れるので、購入量が多くなってしまいました。
そこで、半分は液体タイプに漬け込んで冷凍してみました。

液体タイプに漬け込んで冷凍(2018年撮影)

後日解凍して調理開始。
いろいろな野菜と炒めます。
味噌タイプは比較的しっかり味。
液体タイプは現地で食べた冷凍肉に近い感じで、さっぱりしたおいしさです。

冷凍した肉を解凍(2018年撮影)

野菜と調理(2018年撮影)

さっぱり目の鶏ちゃん焼き完成!(2018年撮影)

3種類の鶏ちゃん焼きを作ってみたのですが、どれも飽きない味。
地元に根付くのがわかります。
タレや味付け肉のお取り寄せもできるようなので、ぜひ試してください。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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