一風変わった寿司屋だ。何せ花形のマグロがない。
画像ギャラリー鮓 廣瀬(最寄駅:広尾駅)
増幅される旨み、甘み、香り奥深き〆の世界
何がそこまで客を唸らせるかといえば〆の技。それも店主の廣瀬さんが編み出した独自の手法だ。魚の鮮度や脂のりなどを見て塩加減や〆る工程、時間を調整する。例えば昆布〆に使うのは利尻のほか、特別に入手する削った後の板状のおぼろ昆布。脂がのる太刀魚などは塩を振り炙ってから皮目に力強い酸味の利尻を、身側は風味穏やかなおぼろを使い、全体の旨みを調和させる。かと思えば淡泊な平目などは皮も身も利尻で甘みを凝縮。複雑な計算と勘で完成させるのだ。店名に古来の「鮓」を使うのは全て仕事をしたネタだから。華はないかもしれない。が、感動がある。恐るべし、〆。
握りお好み8貫(金目鯛、イワシ、サンマ、のどぐろ、春子鯛、アジ、焼き鯖、太刀魚)
8000円前後
つまみ4品
14040円のおまかせコースより
穴子3種
14040円のおまかせコースより
お店からの一言
「お客様の反応はさまざま、ハマる方はハマります」
鮓 廣瀬の店舗情報
[住所]東京都港区西麻布4-5-8 La西麻布2階 [TEL]03-5466-2377 [営業時間]18時~23時 [休日]水 [席]カウンターあり、全19席/全席禁煙/予約可/カード可/サなし [交通アクセス]地下鉄日比谷線広尾駅4番出口から徒歩7分
撮影/鵜澤昭彦 取材/肥田木奈々
2018年11月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
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