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がんばれ銚子電鉄! おいしくて楽しいものをいろいろ食べて応援!! /2006年~2020年

千葉県にある小さな鉄道が銚子電鉄。
全国にたくさんあるローカル私鉄、そのなかでもローカル指数一番!といえば銚子電鉄でしょう。
銚子駅から関東の東端の岬、犬吠埼(いぬぼうさき)の近くを通って、終点の外川駅まで、全長6.4Kmの路線です。

終点の外川駅。
ローカル線感がすごい駅(2020年撮影)

犬吠崎は初日の出に人が集まる、日の出では有名なスポットです。
終点外川の町は、いかにも漁師町という雰囲気で、軒先に一夜干しの魚が並んでいます。
なかなかの雰囲気で、観光地としても楽しいエリア。
小さな列車が走る沿線にはキャベツ畑も多く、のんびりとした路線です。
現在では、京王電鉄を走り、廃車後愛媛県の伊予鉄道に移籍、さらに伊予鉄道から来たという、たいへんな遍歴の電車が走っています。

京王電鉄→愛媛の伊予鉄道経由で銚子電鉄に来た現在の電車(2020年撮影)

関東の東端、犬吠埼(2006年撮影)

犬吠崎付近は、日の出の名所
(2006年撮影……初日の出ではないです)

外川駅近くの町並み。
漁師町の雰囲気がいい(2006年撮影)

沿線にはキャベツ畑も多い(2006年撮影)

銚子電鉄の車両は、以前は他社で使われていた車両が、中古で移籍して走っていました。
いろいろと貴重な車両があるのですが、そのなかでも面白かったのが地下鉄丸ノ内線の車両です。

ご存じの方も多いと思うのですが、丸ノ内線の電車にはパンタグラフがありません。
(2本のレールのほかに3本目があって、ここから電気をとります)
さらに1両で走るために、運転台を両方に取り付けたり、大々的な改造をして走っていました。
以前は銚子電鉄のイメージカラーで走っていたので、まったく丸ノ内線には見えませんでした。
実はこの車両、今では運転を終了していて、仲ノ町駅に置いてあるのですが、最後の時期には丸ノ内線カラーになっていました。

懐かしい色です。

銚子電鉄カラーになっている「元丸ノ内線」車両(2006年撮影)

現在は仲ノ町駅に置いてある
(2020年撮影)

この色合い。(写真は正確には違う形式の車両/1990年撮影)

元丸ノ内線車両が置いてあるのは、起点の銚子駅の次の駅、仲ノ町駅。
この駅には車両庫があります。
うれしいことに、鉄道ファン向けに車庫見学をさせてくれます。
駅で車庫見学入場券を150円で購入。
あとは列車に気を付けて自由に見学ができます。
元丸ノ内線車両のほかにも見どころの車両があります。
小さな電気機関車デキ3です。
ちっちゃな機関車で1922年ドイツ製です。
駅に隣接している醤油工場からの貨物を頑張って引っ張っていたのでしょう……。
そんな気持ちで見ると、よりかわいらしく見えます。

ローカルな雰囲気の仲ノ町駅
(2020年撮影)

仲ノ町は「なかのちょう」と読む
(2020年撮影)

車庫の見学入場券(2020年撮影)

駅の入場券も堅い切符で良い感じ
(2020年撮影)

仲ノ町駅の後ろには醤油工場が広がる(2020年撮影)

車庫に保存されているデキ3。
2020年に見たときには
パンタグラフが外されていた(2006年撮影)

2020年に撮影に行ったときに、ちょっと休憩に犬吠埼駅に立ち寄りました。
そこで見たのは銚子電鉄のポスター。
書いてあったのは、
銚子電鉄の動力は
電気ではございません
皆様の温かい応援を
動力に運行してあります
これ、ぬれ煎餅のポスターです……。

明るい雰囲気の犬吠埼駅
(2020年撮影)

駅中にあったポスター
(2020年撮影)

銚子電鉄の危機を救った「奇跡のぬれ煎餅」

そう、最近では銚子電鉄といえば、むしろぬれ煎餅で有名です。
実は、ローカル線の維持にいろいろお金がかかって、さらに当時の社長が売上金を持ち逃げするという……ありえない災難にもあって、倒産直前までいってしまいました。
このときの奇跡、「ぬれ煎餅を買ってください!」という銚子電鉄の発信で売れ始めて、たいへんな危機を乗り越えました。
(このへんの経緯は、箱入りぬれ煎餅に封入されたご挨拶に「奇跡の実話」として詳しく書いてあります)

ぬれ煎餅箱入り(2020年撮影)

このぬれ煎餅、実は佐々倉家では少々評判が分かれていました。
曰く「やわらかいので醤油が染み込みすぎ」
曰く「パリッとしていない」……全否定……
今回買ってみると、味付けが3種類になっていました。
赤の濃い口味
緑の甘口味
青のうす口味

箱の中は3種類のぬれ煎餅
(2020年撮影)

青のうす口味。
しょっぱ過ぎません。
パッケージの説明のように、オーブンで焼けば焼き立ての感じのパリッとした煎餅で、高評価です。
緑の甘口味は、説明通りマヨネーズをつけてみました。
大好きな味です!

甘口にマヨネーズがよく合う
(2020年撮影)

そして昔からある濃い口味ですが、これまた説明書通りお茶漬けにしてみました。
ごはんに細かく砕いたぬれ煎餅を並べて、お湯をかけるだけ。
おいしい。
クセになるようなおいしさです。
さらに、わさび、海苔をのせれば、もう「逸品」状態です。
ぜひ、食べてみてください。
(ちなみに私は、濃い口味をそのまま食べるのが大好きです)

ごはん、砕いた濃い口味に
お湯をかければお茶漬け完成(2020年撮影)

さらに、わさびをのせて……
(2020年撮影)

海苔をふれば完璧(2020年撮影)

続々登場する「銚子電鉄」周辺グルメ(!?)情報

銚子電鉄の沿線では、最近になってもいろいろと発売しています。
地元生産の「ちょうしたのサンマかば焼き缶詰」は、切符やカード入り。

サンマのかば焼きセット
(2020年撮影)

切符&カード入り(2020年撮影)

「うまい棒」ならぬ「まずい棒」も出しました。

銚子電鉄の「まずい棒」(2020年撮影)

もちろん、味がまずいわけではありません。
パッケージには涙目の車両が、
「マズいです! 経営状況が……」
久々に食べたのですが、やっぱりセになるような味ですね。

パッケージには……!
(2020年撮影)

銚子電鉄の商品は更に調子にのります……。
銚子なだけに……。
犬吠駅で販売するのは、「鯖威張る弁当(サバイバル弁当?)」。
銚子名産のサバご飯に塩サバが乗る駅弁です。
駅の電子レンジで温めて食べると、サバの香りをたっぷり楽しめます。

犬吠駅の「鯖威張る弁当」
(2020年撮影)

サバご飯に塩サバ(2020年撮影)

まだまだあります。

「鯖威張るカレー」(レトルト)です。

レトルトの「鯖威張るカレー」
(2020年撮影)

パッケージを見ると、
威張れない……
そんな経営状況の
銚子電鉄ですが……
……
たいへんなのはわかりますが、笑っちゃいます。
お味のほうは、最初甘目?で、酸味?の優しい感じかと思えば、後でがっつり胡椒系の辛みが襲います。
そして最後にきっちりサバが出てきます。
かなりおいしいサバカレーです。
犬吠駅の売店のほか、仲ノ町駅の駅員室の中にも販売コーナーがあります。
(仲ノ町駅の駅舎の中、かなりレトロな雰囲気でお奨めです)

仲ノ町駅の販売コーナー、
レトロな事務所の中にある(2020年撮影)

小さなな小さな千葉のローカル線。
ぜひ乗りに行って、楽しくておいしいものを買って……。
いつまでも走り続けられるように応援してください。

佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、初めて鉄道写真を撮ったのが小学生のころ、なんやかんやで約50年経ってしまいました。鉄道カメラマンなのに撮影の8割はクルマで移動、列車に乗ってしまうと、走るシーンを撮影しにくいので、いたしかたありません。そんなワケで年間のかなりの期間をクルマで生活しています。趣味は料理と酒! ヨメには申し訳ないのですが、日々食べたいものを作っています。
 鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、いろいろとお付き合いください。
 ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。なにとぞご容赦ください。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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