南蛮漬け、照り焼きをトッピング! サバのすべてを味わいつくす、鳥取「純サバカレー缶」
鳥取県東部・因幡地方の伝統食「因幡の塩鯖」と、サバ節でとったダシを使った和風のルー、塩鯖の竜田揚げをトッピングした「サバ一尾をまるごと味わい尽くす」カレーは、日本最大級のカレーイベント「よこすかカレーフェスティバル2019」において3位を受賞。
数々のメディアに取り上げられ、大ブレイク中だ。
厳選したサバ節、そして焼いた塩鯖の頭、中骨、割いた腹の部分でとっただしをダブルで使った、サバアロマが全開で香る「純サバカレー」。
その魅力は以前にもご紹介させていただいたが、なんと、その美味しさを自宅でも楽しめる「純サバカレー缶」が登場!
純サバカレー同様、因幡の塩鯖を使った「純サバカレールウ缶」、そしてトッピングとして「サバ南蛮漬け缶」「サバ照り焼き缶」が、約1年の開発期間を経てこのほど完成した。
「純サバカレールウ缶」「サバ南蛮漬け缶」「サバ照り焼き缶」
「全国の方に純サバカレーを食べていただきたかったんです!!」と熱く語るのは、純サバカレーを提供する鳥取市「スーパー居酒屋だいぜん」のオーナーである藤木巧さん。
もちろんサバLOVE、というかサバ命。
サバ好きだからこそサバ視点で考えぬき、サバの美味しさを最大限に引き出したカレーを生み出した。
藤木巧さん。
バリバリの「塩鯖ニスト」。
だいぜんでは、因幡の塩鯖を使った
「さば塩麹漬けのあぶり丼」
「さば竜田揚げ丼」など
珠玉のサバメニューがそろう。
そんな極めて「サバ至上主義」のカレーを缶詰で再現するために、渾身の勢いで臨んだ。
が、開発当初からいきなりの壁にぶち当たった。
カレールーに塩鯖を入れて缶詰にしてみると「いまいち」だったのだ。
「ルーにサバを入れて缶詰にしてみたら、サバのクセが出てしまったんです。
これはバラバラにしたほうがいいのでは、という話になりました」
よって、純サバカレールウ缶は「ルー」だけ。
サバは入っていない。
そのため新たな「トッピングサバ缶」を開発することになった。
「いやあ、ここからが大変でした」と藤木さん。
純サバカレーのトッピングである竜田揚げを缶詰にしてみた。
「カチカチになりました……」
ならばとサバのフライを缶詰にしてみた。
「ドロッドロになりました……」
「揚げ物の壁」にぶつかり、方向転換してオリーブオイルとニンニクを使ったアヒージョ風缶詰にしてみた。
「これはとても美味しかったです」
が、あえて却下。
「アヒージョって、ありきたりだなあと……」
サバ好きだからこそ画期的な味付けのサバ缶を。
そしてなんといっても開発の前提は「カレーライスのためのサバ缶」だ。
「純サバカレーにトッピングしたときに、最高の味わいになるサバ缶を極めよう」と決意した藤木さん。
まず思い付いたのは「サバの南蛮漬け」。
だいぜんの日替わりランチにも登場するメニューを缶詰仕様にレシピを調整した。
塩鯖に三杯酢を使った特製のあんをからめて仕上げたサバ缶は、ルーの風味にぴったりだった。
さらにカレーライスとの相性を考えて「ごはんにからみやすい」ように「片栗粉を多めにしてとろみをつけて仕上げました」と藤木さん。
盛り付けたときの彩りまで配慮してパプリカも加えた。
三杯酢のあんをからめた「サバの南蛮漬け缶」。
さらに「食べ比べを楽しんでほしい」と「サバの照り焼き缶」も開発。
塩鯖にしょうゆ、三温糖、みりん、酒でつくったタレを加え、玉ねぎ、鷹の爪も入れて缶詰に。
こちらも片栗粉をプラス。
ルーとの相性もバッチリ、キマった。
タレを加えてテリッと仕上げた「サバの照り焼き缶」。
「どちらもそのままおつまみにしたり、ごはんと一緒に食べても美味しいです。でも、純サバカレーとして食べたときに最高のマリアージュ! ぜひ、セットで味わっていただたきたい!」と力説する藤木さん。
これまでお店やイベントで提供していた純サバカレーとはまた違った味わい、そして楽しみ方もできるからだ。
じつは、純サバカレーの缶詰化において、藤木さんも予期せぬ「ふたつの奇跡」が起きた。
ひとつめは「カレールーがさらに美味しくなった」こと。
「缶にふたをして高温調理する缶詰は、いわば小さい圧力釜。味により深みが出るとともに、スパイスの香りがグンと引き立つ仕上がりに、驚きました」と藤木さん。
ふたつ目は「塩鯖をサバ缶にするとバツグンに美味しい」こと。
冒頭で説明したとおり、使用しているのは「因幡の塩鯖」。
鳥取市・酒津(さけのつ)漁港周辺でひとつひとつ手洗いし、水に一晩浸すことで徹底的な血抜きを行い、塩は手振りで仕上げた塩鯖だ。
「生のサバとまったく違った仕上がりになります。クセがなく身がふっくら仕上がって、またまた驚きました」
因幡の塩鯖のポテンシャル恐るべし!
というわけで、さらなる進化を遂げていた純サバカレーを実食!
まずトッピングとなるサバ缶をそのまま食べてみる。
サバの南蛮漬け缶の身をかじってみる。
うわ。
たしかにしっとりやわらか!
そこに、とろっとした甘酸っぱいあんが絶妙に絡んでさわやかすぎる!
女子にもウケそうな味わい。
しっとりやわらか、さわやかな風味のサバの南蛮漬け缶。
ワインのおつまみにもおすすめ。
一方、サバの照り焼き缶は、てりってりの身がほどよい甘辛さで、サバの旨みがグイッと引き立って美味しい!
ほどよい甘辛さの、サバの照り焼き缶。
ビールや日本酒のおつまみとしてもバッチリ!
いざ! カレーと合体させますよ!
ルーは缶をあけるなり、ほとばしる本格的なスパイスの香り。
そして温めると、かぐわしいサバだしの香り!
「純サバカレールウ缶」。自社農園でとれた無農薬の玉ねぎ、地元のカレースパイス「鳥取カレーの素」と、10数種類のスパイスや隠し味を加えて2時間煮込んだ逸品。ルーは常温でかけてもよし、器に入れてレンジで加熱してもよし。
ごはんにかけていただくと、口の中いっぱいにフルボディなサバの旨み!
それを複雑なスパイスの風味が引き立てて、思いきり後引く味わい。
たしかに味わいの奥行きっぷりが、缶詰バージョンはすごいかも。
そして、2種類のサバ缶の身をオン!
ごはんにルーをかけて、サバ南蛮漬け缶とサバ照り焼き缶の身をトッピング!
缶汁は後で使うのでくれぐれも捨てないように!
照り焼き缶とカレーを合わせて食べると……。
おっ。
照り焼きのタレとカレーの風味がベストマッチ。
カレーにコクがでる組み合わせ!
とろとろタマネギといっしょに食べると、またまたうっとり。
サバ照り焼き缶とカレーを
いっしょに食べると、
コクまろな味わいに!
南蛮漬けとカレーをスプーンですくって食べると、あらあらカレーが軽やかに。
さらさらといただき、再び照り焼き缶に戻ってコクを楽しむ。
なんだか楽しいぞ、カレー上における「サバ往復」!
サバ南蛮漬け缶とカレーは
軽やかな味わい。
サバで味変が楽しめる。
そして、サバの旨みが詰まった「缶汁」の存在を忘れるべからず。
照り焼き缶の汁をカレーにかけると、グンと濃厚で深みのある味わいに。
「カレーにソース」的に使いこなして。
南蛮漬け缶の汁はカレーの合間にスプーンですくってチビチビといただく。
はい、「らっきょう」的に使いこなして。
ちなみにカレー、照り焼き缶、南蛮漬け缶の「全部混ぜ」で食べるのもおすすめ。
サバ好きも、カレー好きも納得できる究極のサバカレー缶、ぜひお試しを!
■スーパー居酒屋 だいぜん
https://www.tottori-daizen.com/
純サバカレー缶通販サイト
https://www.47club.jp/34M-000067xxl
※だいぜんでも販売中。
池田陽子(いけだ ようこ)
サバファンの集い「鯖ナイト」や、日本中のサバ好きが集まる「鯖サミット」などの活動を担う「全さば連(全日本さば連合会)」広報担当/サバジェンヌとして活躍。本業は薬膳アテンダント/食文化ジャーナリスト。著書に『ゆる薬膳。』(日本文芸社)、『缶詰deゆる薬膳。』(宝島社)、『春夏秋冬ゆる薬膳。』(扶桑社)、「ゆる薬膳。」はじめたらするっと5kgヤセました!(青春出版社)、『サバが好き!』(山と渓谷社)など。
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