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「ジロリアン」とも呼ばれる熱狂的なファンを持ち、首都圏を中心に約40もの直系店舗がある「ラーメン二郎」。その超人気ラーメン店をこよなく愛し、1人では行きづらいと思っている客の“ガイド役”を買って出ている学生がいます。早稲田大学の大学院修士1年の「清水くん」です。2020年1月からラーメン二郎に一緒について行く「レンタル二郎食べる人」のサービスを開始。1年間で160人をラーメン二郎に導きました。その“カリスマジロリアン”のインタビュー後編です。

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二郎系は美味しくない?清水くんの原点

二郎系ラーメンを一度は食べたことはあるけれど、「美味しくなかった」「自分とは合わなかった」「量が多くて食べ切れなかった」と言う人はちょっとだけ待って欲しい。最後まで読んで欲しい、と切に思う

なぜなら、彼自身もその1人だったのだから。

「僕の親が転勤族で、小さい頃から食べることが大好きで、全国各地のラーメンをよく食べていたけれど、自分は大食いなので、そんじょそこらのラーメンを食べても足りないっていう悩みがありました」(清水くん)

そこで運命の二郎系ラーメンに出会ったのはなんと、テレビだった。

まさに映像からも伝わるインパクト。

「安くて量の多い、麺と野菜と大きなチャーシューが衝撃的でした。これはいつか絶対食べてなきゃと思いました」(清水くん)

使命を帯びたかのように感じたという、当時小5の清水くん。実際に食べられたのは上京後、18歳の時だった。

テレビで見ただけのラーメンの味をずっと彼は夢見ていたという。長年の思いを馳せたその味は、残念ながらイメージとは違、1回ではハマらなかったと言う。

そこの店舗では頼み方が掲示されておらず、麺の量もわからない。ニンニクを入れる?と聞かれたが、どういうことなのかよくわからない。

注文して提供されたラーメンは、あのテレビで見た自分の夢見た「二郎系ラーメン」ではなかったという。

「美味しくなかった訳ではないけれど、想像していた味を越えてこなかった。十数年間期待だけが膨らみすぎたみたいで。2度目はないかなと…」

そう、彼は二郎系はもう食べないと決めた。それにも関わらず、柔道部の先輩にリベンジをさせられたのをきっかけに、改めてその二郎系の魅力に気づいたと話す。

「二郎系ラーメンは奥が深いんです。本家のラーメン二郎でさえ、店舗によって味が全然違うし、日によっても波があるんです。今日はあまり美味しくないなと思う日もあります。でも逆に想像を絶する美味しさのラーメンと出会える可能性がある。先輩に連れていかれて、頼み方を教わって、そこからハマりました。自分のその日の腹持ちや好みに合った頼み方を見つけるのが楽しいんです。大当たりの一杯と出会う喜びを味わうために何度も通います」(清水くん)

一回行っただけではわからない魅力もある。一度ダメでも諦めないでリベンジすることをおすすめしたい。

どこかやめられない中毒性のある味

そもそもそんなにしょっちゅうラーメンを食べていて飽きないのか?

清水くんは週に最高14杯食べたこともあるとう。今日ラーメンを食べたからと言って明日はカレー、カツ丼を食べたいわけではない、と話す。

そう、明日も明後日もラーメンを食べたいのだ。ラーメンを愛して愛して止まないのが伝わってくる。それほど二郎系のラーメンは、どこかやめられない中毒性のある味で、食べる回数を重ねることに意味があると言う

どれだけラーメンが好きだからと言って、例え謝礼を依頼者からもらえたとしても、決して彼と同じ量の依頼を受けられるかと聞かれたら、出来ないのは百も承知である。

並んでいる間にカウンセリング

どんな依頼でも受ける清水くんだが、依頼者の事前情報はほぼ不要らしい。

「いつも行きたいお店だけ聞いて、最寄りの駅で待ち合わせします。お会いして初めてお話しして、どのくらいの量が食べられるのか、好みなどを詳しく聞きます。二郎系で量を多めに注文する時に使う言葉で、’’マシマシ’’という言葉があるので、とにかく量が多いイメージかもしれませんが、麺は意外かと思われるでしょうが、1/3でも1/4にでもできますし、いくらでも残さないように調整はできるんです。相手の好みは、直接会って話した方が、よくわかります」(清水くん)

「ラーメンをきっかけに食事を一緒にすることで、距離が縮まるとおもいます。悩み相談をされる事もあるし、自分が話すこともある。昔は人見知りだったが、鍛えられました。喜んでくれたり、求められる事を応えられるのが嬉しいです」(清水くん)

おすすめの二郎系ラーメン屋さんは?と聞かれたら、やっぱりこのお店

「おすすめのラーメン屋さんは?」と聞かれたら、ラーメンの美味しさだけではなく、店主との絆も大事にしたいという清水くん。彼にとって元バイト先の「ピコピコポン」はやはり特別な存在だという。

今回は、彼のルーツとなった「ピコピコポン」にて彼のルーツを更に深掘りすることに。店内には、清水くんが所属する早稲田大学柔道部のポスターも。

「店主の松延さんは、休みの日もラーメンを食べるほど勉強家なんです」(清水くん)

一見ラーメン屋と分からないほど、シックな外観と清潔な店内。コロナ禍で周りの飲食店が閑散としている中でも、並ぶ時間を惜しまないお客さんが目立った。

広い店内はカウンターだけでは無く、テーブル席もあるので子供も入店可能だ


店内に入ると、券売機の上や壁に麺量やトッピングについて丁寧に記載されている

初見でも、困惑せずに頼みやすい工夫がされている


やさい、にんにく、あぶら、からめ全部増し

ここのラーメンを何百回と食べている清水くんのおすすめの頼み方は、バラナンコツ(200円)のトッピングが絶品だと教えてくれた。

美味しそうに食べる清水くん

「ピコピコポンでラーメン¥850+バラナンコツ¥200をいただきました。煌めくアブラとクタヤサイのハーモニーに昇天。バラナンコツはフワトロ軽やか食感で噛むともっちり変幻自在。豚の旨味が凝縮した微乳化スープに屈しないプリ麺の小麦の風味とギュチブリ豚から止め処なく溢れる罪深き肉汁が口中に炸裂」

Twitterでラーメンを食べる度に感想を綴っている清水くんに、今回も彼なりの表現で感想を述べてもらった。

独特な味の表現と、具体的な描写が食欲をそそる。

こだわりについて店主の松延さんに伺うと、とてもシンプルな答えだった。

「美味しいものを出す。自分自身がどこのラーメンを食べていても豚が好きだとやっぱり思う。食材は全て業者さんからこだわって仕入れています」

元々、ここのお店の宣伝のために始めた清水くんのサービスは、ノリだったとはいえ、多くのお客さんを満足させた。

勉強と部活に忙しい時も、柔軟に対応してくれた松延さんは、今でも清水くんの活動を第一に応援している。

「彼の真面目さと紳士的な振る舞いが、人気になった理由だと思う」

気さくに話してくれる松延さんは「頑固でぶっきらぼう」といったラーメン屋さんの店主のイメージとはかけ離れていた。

バイト時代から、よく悩みを松延さんに話してたという清水くん。この店主無しでは清水くんという逸材は生まれなかったはず。

彼の人柄やラーメンに対する想い、紳士的な対応に依頼者は惹かれていく。そして彼の懐の大きさにハマり、リピートは増えていく。

「ピコピコポン」店主の松延さんと清水くん


ボリューム満点のラーメンをペロリ

「ご馳走様でした」(清水くん)

文/白石あさえ、撮影/スギゾー

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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