ドラクエの名曲誕生 きっかけは「すぎやまこういち」が送ったアンケート
1986年、ファミコンのゲームとしてスタートした「ドラゴンクエスト」は、またたく間に大ブームとなった。新しいシリーズが発売される度に、いち早く手に入れたいゲーム・ファンが徹夜で販売店頭に並ぶほどだった。
「ドラゴンクエスト」が発売され、大ヒットになって直ぐに、東京五輪の開会式でも使われたあの印象的なオープニング・テーマを作曲したすぎやまこういち氏(2021年9月30日、90歳で死去)と逢った。グループ・サウンズのタイガースなどの作曲で知られるヒットメーカーのすぎやま氏が、何故ゲーム・ミュージックを手掛けたか知りたかったからだ。
すぎやま氏はファミコン発売時から、ファンになったと言う。ゲーム・カセットを買う度に添付されているアンケート用紙に記入し、メーカーに送っていた。そのアンケート用紙を読んだ後に「ドラゴンクエスト」の発売元となったエニックスのスタッフが、偶然にもすぎやま氏が著名な作曲家だと知った。すぎやま氏は、アンケートのほとんどに“ゲームはおもしろいけれど、音楽がつまらない”と記していた。