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クッキングパパの「ちまき」は関東風? 干しエビと希少な栄養満点の素材とは?

クッキングパパでは関東風の“甘くない”ちまきが登場「COOK.73 花見は荒岩ちまきで キマリ!!」より

クッキングパパ「COOK.73 花見は荒岩ちまきで キマリ!!」は、関西でいただく和菓子のちまきではなく、具入りの餅米を竹皮で三角に包んで蒸したおこわの中華ちまきです。関東でちまきといえば、こちらが一般的です。これからの季節、レジャーや運動会などに用意すれば、目先を変えた行楽弁当としても喜ばれそうですね。

レシピにある材料の中で特筆すべきは、干しエビ、キクラゲです。干しエビは、中華料理の高級調味料「XО醤(ジャン)」にも使われ、高たんぱく、カルシウムを誇り、凝縮されたうま味はまさに中華の万能選手。ちなみにXО醤は、1980年代、香港にあるペニンシュラホテルの料理人が開発したとされています。

コリコリした歯ごたえのあるキクラゲは、キノコの一種でまるでクラゲや耳のような形をしていることから、漢字で「木耳」と書きます。中国では古くから薬膳や漢方薬に使われ、豊富な食物繊維とビタミンDを含んでいます。特に骨や歯を丈夫にするビタミンDは、日光を浴びて体内で合成されますが、紫外線対策を怠らない女性にとっては不足しがちでもあることから、積極的に摂取したいですね。

◆ポイントは【1】鍋肌からしょう油を回し入れ【2】濡らした竹皮で隙間なく包む

さて、調理のポイント2点おさらいしておきましょう。

1点目は、中華鍋に水に浸して戻した干しエビと餅米を炒めて味付けにしょう油を入れるとき、鍋肌に沿って回し入れます。

鍋肌とは鍋の内側、側面を指します。鍋肌で熱されたしょう油の香ばしさを引き立たせてから具材に絡めるため、直接かけるより風味豊かに仕上がります。その際、鍋肌が高温になっているためしょう油が焦げやすいので、手早く鍋を揺すって絡めてから火を止めます。

2点目は、おこわを竹の皮で包む際、水に浸してしなやかにしてから、「表を内側にして」隙間ができぬようきっちり巻いていきます。竹の皮は天然の抗菌性と防腐性および通気性に優れ、もっちり美味しいまま長持ちできます。弁当箱がない時代、よく竹の皮でおにぎりを包んでいたものです。

巻き終わったら、蒸す前にいくつか冷凍してストックしておけば、急な来客やお子さんのおやつにも重宝しそうですね。

いよいよちまきを蒸していきますが、立ち上る竹の香りに癒され、巻くのにひと苦労した疲れも吹き飛びます。

前出の菖蒲の葉にも独特の香りとともにリラックス効果のある精油成分が多く含まれています。連休中、心身の不調の回復にぜひ、こうした植物の秘めたるパワーを上手に生かしたいですね。

※現在は当時の状況と異なる場合があります。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち、メイン画像/promolink-Stock.Adobe.com

◆『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。

週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年4月現在、単行本は161巻。

※「おとなの週末Web」の記事では本稿紹介の漫画、クッキングパパ 「COOK.73 花見は荒岩ちまきで キマリ!!」を一話丸ごと読むことができます。(申し訳ありませんが、現在サイト改修のため公開停止しております。再開時にはあらためてご連絡いたします)

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中島幸恵
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