魚は体の中心に近い部分ほど美味い
モテる、モテないの話からずいぶん逸れてしまいました。お詫びついでに寿司屋でモテる秘訣を教えましょう。ただし、寿司屋といっても回転寿司。回転寿司で美味く食べる方法です。
まずはマグロ。どうしても中トロ、大トロに目が向きますが、トロは余程上等なマグロでないとスジが固くて美味くありません。私なら赤身の「テンパ」という部分を食べますね。テンパはマグロをバラして「柵取り」するときに、最初に刎ねる三角形の赤身の部分。「天端」と書きます。マグロの背骨に一番近い赤身で、これは美味い。トロなんか目じゃないね。赤身は「血合いぎし」という部分も美味しいけど、回転寿司にあるのはテンパがせいぜい。板前に聞いてみるといいでしょうね。
イカや白身は、とにかく透明なものを選ぶ。
また、スジが入っているネタは間隔が開いているほどいい。魚には必ず頭と尻尾があります。一貫ずけでまるごと食べる鯵とかこはだのような小さな魚は別にして、大きな魚は部分によって味はずいぶん違ってきます。これはトロにも言えることで、スジの間隔が狭いのは尾びれに近いという証。魚は何でも、体の中心に近いほど美味いものです。
まあ、こんな薀蓄(うんちく)を肴に寿司をつまめば、横の彼女が惚れ直すこと請け合いだね。
(本文は、2012年6月15日刊『寿司屋の親父のひとり言』に加筆修正したものです)
すし 三ツ木
住所:東京都江東区富岡1‐13‐13
電話:03‐3641‐2863
営業時間:11時半~13時半、17時~22時
定休日:第3日曜日、月曜日
交通:東西線門前仲町駅1番出口から徒歩1分