直営の食堂で出合った激ウマサバ料理
さらに、宇田水産直営の食堂『熱海まぐろや』でも店名に関わらず、「サバ料理激推し」!
ここでもう一度言いますが、宇田さんは熱海魚市場の社長である。魚を知り尽くした宇田さんがおすすめするサバ。そしてサバグルメのレベルたるや、言わずもがなだ。
「熱海のサバの風味をいかすなら、コレがイチオシ」と宇田さんが提供するのが「サバの沖漬け」。サバを醤油ベースの「秘伝のタレ」に漬け込んだメニューだ。「沖漬けにするなら、脂のりがサッパリしているほうが適しているんですよ」と宇田さん。
そして、熱海のサバのおいしさを引き立てる隠し味は、熱海が日本有数の生産量を誇る柑橘「ダイダイ」。
爽やかな香りと酸味が特徴のダイダイは「魚との相性がバツグン。とくに熱海のサバに、じつによく合います」と宇田さんは語る。
サバに2時間ほど塩をしてから、醤油、みりん、日本酒をブレンドしたタレに1時間漬け込み、最後にだいだい果汁を入れて仕上げる。
さっそく、いただいてみる。
ギャー、さばやかーーーーーーーー!!!
感動のあまり、ついサバ用語になってしまったが、最高に爽やか! 脂はのっているけれど、シュッとしたシャープで透明感のある熱海のサバの脂に、ダイダイが見事なまでに「同じ方向性」で寄り添う。もはや「ピカッ」と煌めくような味わいだ。
酢が入っていないのに、鮮やかなダイダイの酸味で残暑にぴったり。青空の下で食べたい、なんならキリッと冷えた「泡」と一緒にいただきたい、極めて涼やかな「納涼サバグルメ」。とくに女子は大好きなはずの一品。
そして熱海イチ、サバにアツい男・宇田さんが最近、大絶賛しているのが「伊豆海サバ」。熱海駅から車で15分ほどに、位置する網代漁港で養殖されたサバだ。
網代は相模湾からの深海が湾内至近まで入り込む、伊豆東海岸随一の天然の良港。おもに定置網漁が行われている。
伊豆海サバは、定置網に入った子サバをいけすにうつして養殖されている。エサはすべて、生魚だ。定置網に入った流通には適していない、イワシなどの魚をミンチ状にして与えている。つまり、本来サバが食べているもので育っているのだ。
「ナチュラルな味わいで、とろけるような脂がバツグンにのっていて、ほんとうにおいしい !!」と力説する宇田さん。
『熱海まぐろや』でも、〆サバなどさまざまな料理で提供しているが、本日は宇田さん渾身の「伊豆海サバの燻製」をいただいた。
「伊豆海サバの脂は、燻製にするとより引き立つはず」と思い立った宇田さんの力作だ。じつは、宇田さんはこれまで燻製を作ったことがなかった。
「作り方が全くわからない」なか、試行錯誤。煙に巻かれすぎて「吐き気がしてご飯が食べられなくなる」という「自分が燻製化」事態に陥るまで、身体を張って研究して完成した一品である。
あれもこれも試してみた結果、いきついたのは「しめさばみたいに作っちゃおう」方式。
サバに塩をし、陰干しして軽く水分をとってから、店内にあった「シラスが入っていた木箱」で「自家製燻製機」を自ら作成。桜のチップで生感を活かせる5時間程度燻して完成する。
まぐろやばかりか、都内のホテルでも人気を博しているという。宇田さんいわく「おとなの週末っぽい味」に仕上がったそうだ。
じつは宇田さんは『おとなの週末』を毎月必ず購入しているという、筋金入りの「おと週ファン」でもある。
では、おと週風味の伊豆海サバの燻製、いただきます!
見た目、どうみてもお刺身! まずは、ひと口。うーむ。唸りました、ジェンヌさん。香ばしく香るサバは、極めてレア感が残り、刺身で味わうようなフレッシュさでコクのある脂が口の中に華やかに広がる。
そして、噛むたびにジュワジュワとバツグンの脂がほとばしる! なんなんですか、刺身を食べているかのような燻製って !? 「刺身のような燻製」いや、これはもう「生きているサバの燻製」ですよ! そしてなんともグラマラスでゴージャスな味わい! ハイクラスのウイスキーと合わせたい!
おと週愛読者のみなさば、間違いない! ぜひお試しを!
■『熱海まぐろや』
[住所]静岡県熱海市田原本町9-1 第一ビルアタミックス名店街 地下1階
[電話番号]0557-83-1880
[営業時間]11:00~14:30LO、16:00~17:30LO
[休日]水・第1火・第3日
[交通]JR熱海駅から徒歩2分
https://www.udasuisan.website/%E7%86%B1%E6%B5%B7%E3%81%BE%E3%81%90%E3%82%8D%E3%82%84/
※サバ商品はオンラインショップから購入可能