旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは旬の食材の魅力をご紹介します。旬のものをたくさん食べて、体の内側から健康に、きれいになりましょう!
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
もっちりとした食感を楽しめるのは旬の時期だけ!! ただし、食べすぎ注意!
料理にひと粒添えられているだけで、秋の訪れを感じさせてくれるのがぎんなん。
そろそろイチョウ並木のある道が黄色く色づいた落ち葉で彩られ始めます。そして、落ち葉とともに熟したぎんなんの実も……。黄色いさくらんぼのような実は一見美味しそうですが、その臭いは強烈! 食用となるのは種の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分です。
ぎんなんが店頭に並び始めるのは10月初旬あたりからで、11月の下旬あたりまでは安価で購入することができます。
通年手に入るようになっていますが、旬のものは味や食感が違います! 旬の時期に採れた、新鮮なぎんなんの実は火を通すと美しい翡翠(ひすい)色に。もっちりとして食感が楽しめます。保存期間が長くなると火を通しても黄緑色にはならず黄色になり、もっちりした食感も失われてしまいます。
ただし、加熱時間が長くなると新鮮なものでも黄色くなります。ということで、炊き込みご飯や茶わん蒸しなどにした場合は黄色になりますが、もちもちの食感が失われることはありません。
旬の時期のぎんなんは、炒ったり、素揚げにして塩をかけて食べるのがお薦めです。フライパンなどで10分程度炒れば完成ですが、爆ぜると危険なので、殻をとんかちなどで叩いて割れ目を入れてから炒るようにしましょう。
美味しいぎんなんの見分け方
大ぶりで殻の表面が白く滑らかでツヤツヤしているものを。殻を取った状態で売っている場合は、薄皮の下の実の色が翡翠色のものを選びましょう。
ぎんなんの注目栄養素
ぎんなんには、βカロテン、ビタミンC、カリウムなどが含まれています。βカロテンは抗酸化作用を持つとともに、体内で必要に応じてビタミンAに変換されて粘膜保護をサポートするというマルチな働きをする栄養素です。
ここでひとつ注意点が。ぎんなんには神経伝達物質の働きを阻害する「4′-O-メチルピリドキシン」という物質が含まれているため、食べすぎるとめまいや嘔吐、けいれんなどの中毒症状を起こす危険があります。特に子どもは中毒を起こしやすいので要注意です。
1日に食べる量は、子どもは2~3粒、大人でも10~15粒くらいにとどめましょう。