斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が700万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。
第3回は東京・神田の「裏神田 自然生村(じねんじょうむら)」です。
免疫力アップに美肌効果も…開店直後から大盛況!
自然薯(じねんじょ)は日本に古くから自生している山芋の一種です。すりおろすと箸でつかめるほど粘りが強く、旨味が濃い。ふだん、自然薯がなかなか手に入りにくいから、僕の料理で使うことはほとんどないけど、好きな野菜のひとつ。なんてったって、自然薯には脅威の「想像を遥かに超えた“健康パワー”」があるから。
そんな印象的なフレーズに出会ったのは、神田駅にほど近い路地裏。「希少な自然薯専門店」の看板の下には、「免疫力アップ、体力維持、美肌…」といった健康パワーの効果がズラリ。迷わず「とろろ」と書かれた赤提灯をくぐると、開店からそう経っていない午後6時半にも関わらず、店内は既に満席。どうにもこうにも“自然薯づくし”が気になって、あきらめきれず出直そうと、とりあえず別の店で飲むことに。再び8時頃訪ねると、運良く入店できました。
強いねばり、舌先でとろける食感 ユニークな“自然薯づくし”に舌鼓
まずは、自然薯本来の美味しさ堪能すべく、「すりおろし生とろ」(550円)からスタート。トルコブルーの長皿に、根焼きしてから皮ごとすりおろし、まるでつき立ての餅のように盛られて、わさびや塩とともに出てきました。野生の香りとともに口に入れた途端、生命力溢れる強いねばりとコクを実感。コレはウマい!
次は、「元祖ふわとろ鉄板焼き」(980円)。分厚くこんがりと焼かれた自然薯の上に、ソースとマヨネーズ、海苔や小ネギをのせた、一見お好み焼きのようなボリューム。僕は飲むとき、おつまみにいろんな種類の小鉢をちょっとつつくぐらいだから、あまりの量の多さに一瞬、面食らってしまいました。
でも食べてみると、見た目と違ってとにかく軽い!軽い!舌の上でふわっととろける食感が、言葉にならないウマさで完食!おつまみとして完璧です。おそらく粉を一切使わず、自然薯と卵で焼き上げているようで、お腹にたまらないから、2軒目なのにまだまだ入ります。
もう一品、うっすら味つきの自然薯を海苔で巻いて油で揚げた「磯辺揚げ」(890円)。コシがあってねばりが強い自然薯は、揚げても型崩れせず中は柔らかく、海苔のパリパリ感とのコントラストがお見事でユニークな仕上がり。おろしポン酢でさっぱりといただきました。
ヘルシーな料理に合わせて、お酒もさっぱりとレモンわさわさサワー(580円)で。レモンの輪切りがふんだんに入っており、フレッシュな酸味で胃も活性化されてグイグイ進みます。