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週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で連載中の「クッキングパパ」は、主人公のサラリーマン荒岩一味が、得意の料理の腕を振るって、家族や同僚らとの絆を深めるストーリーが人気。

著者のうえやまとちさん自身が、試行錯誤を繰り返しながら作り上げた自信作のオリジナルレシピを、詳細なイラストと臨場感あふれる筆致で紹介しています。本稿では3月3日号で通算1600話を突破した膨大なエピソードのなかから、毎週1つを取り上げ、その料理にまつわる四方山話をお届けします。

長引くコロナ禍で、自炊をする人が増えているいま、「クッキングパパ」を参考に料理を作って食べて楽しんでみませんか。第38回は「チーズフォンデュ」です。

魚のフライやホタテも! チーズにベストマッチのアレコレは?

「チーズフォンデュ」は、風味付けしたチーズを温めて溶かしたところに、パンや肉、野菜などをつけていただきます。11月の第三木曜日、17日に解禁日が迫ったボジョレー・ヌーヴォーとも好相性!

クッキングパパ 第16巻「COOK.156 チーズフォンデュで一晩中」では、チーズフォンデュに適したチーズを使い、時間差で風味付けをすることで、手軽ながら本格的な味わいを楽しめます。

鍋でチーズを温める前に、具材を一口大に切って用意しておきましょう。白身魚のフライやホタテなど、チーズに合う魚介類もおススメです。

荒岩流「いろいろチーズフォンデュ」レシピ! 味付けは時間差で

チーズフォンデュといえば野菜やじゃがいもが定番だが、荒岩流レシピは白身魚のフライやうずらのゆで卵など個性派の具材も!(クッキングパパ第16巻「COOK.156 チーズフォンデュで一晩中」より)

鍋の準備に取り掛かります。鍋は保温性に優れた土鍋や鋳物ホーロー、鉄製のもので、直径20センチ以下がベスト。鍋の内側に、つぶしたニンニクをすりつけて香りづけをしておきます。

チーズフォンデュに適したチーズとして、エメンタルチーズとグリュイエルチーズを同量使います。どちらもにんにくとの相性がよく、火を通すことで一層風味が増すのが特徴です。

チーズは、チーズおろし器などで細かくしたら、コンスターチとよく混ぜ合わせます。このひと手間で、チーズにとろみがついて、具材と絡みやすくなるからです。白ワイン(辛口)とレモン汁を加えて、強火にかけます。

焦げ付かぬよう木べらなどで絶えずかき混ぜて、なめらかになったら、キルシュワッサー(さくらんぼが原料のフランデー)と胡椒を加えて味を調え、いったん火からおろします。

鍋を卓上コンロの上に移したら弱火にして、それぞれ、好みの具材をチーズにつけていただきます。とろ~り濃厚なチーズのコクと芳醇なボジョレー・ヌーヴォーがベストマッチ。調理時間わずか15分ほど。いつもより華やいだ食卓に、話が弾みます。

直近は海外でも高評価! 国産ナチュラルチーズの生産量は増加傾向

最近では国産も増えているというナチュラルチーズ。2022年は11月17日に解禁となるボジョレーヌーヴォーとも相性抜群!(Photo/volff-Stock.Adobe.com)

海外からの輸入が圧倒的に多いカマンベールなどのナチュラルチーズですが、近年、国内生産量は増加傾向にあります。農林水産省の統計によると、国産ナチュラルチーズの2021年度の生産量は4.5万トンと過去最多を記録しました。

地場産の生乳を使ったチーズを生産する工房は、この10年強で3倍以上にも増加、330軒を超えています(農水省HPより)。

日本人の好みに合わせて、風土に適した生乳から作られた高品質なチーズは、海外でも高く評価され、最近は国際的なコンクールで上位に入賞する工房も。円安の進行も追い風となって、割高な輸入チーズと国産の価格差が縮小し、注目を集めています。販売先も、主に地方の「道の駅」といった産地直送の市場のほか、スーパーでも国産の品揃えを強化するところが増えています。

年末年始のご馳走にチーズを選ぶ際は、国産の中からお好みを探してみてはいかがでしょう。

文/中島幸恵、漫画/うえやまとち

◆『クッキングパパ』とは?

福岡市博多を舞台に、商社の営業課に所属するサラリーマン、荒岩一味が家族や同僚、友人らに得意な料理の腕前を披露、食を通じて周囲の人々に笑顔とパワーを与える物語。作中ある料理のレシピは、定番料理からオリジナルメニュー、地元九州の郷土料理まで多岐にわたり、詳細なイラストとポイントを押さえた簡潔な説明はいま、すぐ作りたくなると好評を博している。 週刊漫画誌「モーニング」(講談社発行)で1985年から連載している人気シリーズで、2022年10月現在、単行本は163巻。

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中島幸恵
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