ビフィズス菌は胃酸に弱く、熱に弱い
答えは(3)です。食物繊維やオリゴ糖は、ビフィズス菌などの善玉菌のエサとなります。これらのエサを摂取することで、善玉菌が活発に働くようになり、菌数の増加に繋がります。
善玉菌はこれらのエサをもとに、「短鎖(たんさ)脂肪酸」を作り、腸内環境の改善を促進します。代表的なものには、酢酸、酪酸、プロピオン酸などがあります。短鎖脂肪酸はさまざまな有用な効果をもつ物質です。これについてはあらためてとり上げます。
ビフィズス菌は大腸で活躍するので、生きたまま大腸に届けることが必要ですが、胃酸に弱く、腸に届く前に胃の中で多くが死んでしまいます。そのためヨーグルトを食間や食前に単独で食べるよりも、食後の胃酸が薄まった状態で食べるほうが、生きたビフィズス菌がより多く大腸に届きやすいと考えられています。
肉をヨーグルトや酢に漬けると、pHが下がり、筋原線維タンパク質が分解され、保水性が高まって食感が柔らかくなります。しかしビフィズス菌は熱に弱く、50~60℃で死滅してしまうため、肉を焼いてしまうと、肉に付着したビフィズス菌は死んでしまいます。ただし、ビフィズス菌は死んでいても、ほかの善玉菌のエサになるため、間接的に腸内環境の改善に寄与する面はあると考えられます。
(参考)
[1] 新型コロナウイルス感染拡大の陰で起きている体調変化や生活習慣に関する最新調査(一般社団法人 日本生活習慣病予防協会)
https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2021/010550.php
[2] 肉をヨーグルトに漬けると軟らかくなるのはなぜですか?(一般社団法人日本乳業協会)
https://nyukyou.jp/dairyqa/2107_173_363/