旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:きんき
難易度:★★☆☆☆
煮ても、焼いても、刺身でもOKの高級魚
大きな目と赤い体表色が特徴のきんきは、きちじとも呼ばれる高級魚です。見た目は、きんめだいとそっくりですが、色は金目鯛よりも淡い朱色で、目が澄んでいることが特徴です。また、きんめだいはキンメダイ科ですが、きんきはカサゴ科と種も異なるのです。
通年漁獲される魚ですが、美味しくなるのは11月から3月頃まで。旬のきんきは脂がのって肉質もキュと締まって、刺身でも、焼いても、煮つけても美味しくいただけます。漁獲量が圧倒的に多いのは北海道で、東北から伊豆あたりまでの太平洋に生息し、日本海には生息していません。
ほんのり甘味のあるクセがない白身で、脂もしつこさのない上品な味わいです。また、皮と身の間に旨味が詰まっているため、お刺身で食べる時は皮を引かずに供されることが多いようです。
また、小骨が少なく、子どもや高齢者にも食べやすいことも特徴です。
きんきは丸ごと1匹だと高額なものが多いのですが、あらなら比較的安価で販売されています。あらが手に入ったら、煮つけにするのもいいのですが、上品な出汁の旨味が楽しめるあら汁がお薦めです。
美味しいきんきの見分け方
鮮度がいいものほど色が鮮やかで、つやがあります。鮮度が落ちたものはオレンジ色や茶色っぽくなります。また、目が澄んでいてくぼんでいないものを選びましょう。
お腹を触ってみて、ぶにょっとしていたり、見た目がだらっとしているものは避けましょう。エラをめくって色をチェックすることも忘れずに。鮮やかな赤色が鮮度の良さのサインです。
きんきの注目栄養素
注目すべきは、きんきの皮の赤い色素成分であるアスタキサンチン。この成分は、ビタミンEの約1000倍と言われる強力な抗酸化力を持っています。ただし、含まれる食品が非常に少ないというのが難点。つまり、きんきはアスタキサンチンをとれる貴重な魚なのです。そのため、皮も残さずに食べることをお薦めします。