ニッポン“チャーラー”の旅

大阪・天王寺『らーめん 極 本店』の名物“チャーライ”ってナンだ!?/ニッポン“チャーラー”の旅 第17回

大阪・天王寺『らーめん 極 本店』の名物“チャーライ”ってナンだ!?/ニッポン“チャーラー”の旅 第17回

大阪・天王寺『らーめん 極 本店』の名物“チャーライ”ってナンだ!?/ニッポン“チャーラー”の旅 第17回

チャーハンとラーメンのセット、略して“チャーラー”。愛知で親しまれるこのセットメニューを愛してやまない現地在住のライター・永谷正樹が、地元はもちろん、全国各地で出合ったチャーラーをご紹介。前回に引き続き、大阪編。ですが、今回はチャーハンではなく「チャーライ」。それって何!?

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チャーハンは、漢字で書くと炒飯。すなわち、炒めたご飯であり、職人による「炒め」の技術を味わう料理といえる。旨いチャーハンを論じるときも「炒め」によって生まれる味や食感が論点となる。

ところが、世の中には炒めた肉や玉子などをのせた“のせ系チャーハン”もある。それはどう捉えればよいのだろう。

『らーめん 極 本店』外観。店は大阪公立大学医学部付属病院の前

大阪・天王寺にある『らーめん 極 本店』では「チャーライ」というのせ系チャーハンが大人気らしい

チャーライとは、チャーシューライスの略とのこと。チャーシューライスと聞けば、チャーシュー丼の方がしっくりくると思うのだが。それにここはラーメン店のはず。ラーメンとの相性はどうなのか。もう気になって仕方がない。ってことで、自分の舌で確かめるべく店へ行ってきた。

チャーライとラーメンのセットが充実

店の前にある券売機

店に到着したのは、夜8時頃。店の前には券売機があり、食券を購入して入店するシステムのようだ。「らーめん」のミニが付く「チャーライ定食」は、普通盛と大盛、小盛の3種類を用意していて、筆者が選んだのは普通盛の「チャーライ定食」(950円)。

ちなみに「らーめん」はミニしか選択肢がなく、普通盛のらーめんとのセット「らーめん定食」(1050円)はチャーライが小盛になる。らーめんもチャーライもガッツリ食べたい! という場合は、それぞれ単品(らーめん790円、チャーライ650円)で注文しなければならないのが玉にキズ。

店内の壁に貼られたメニュー

店内はカウンター席のみで10席あるかないか。らーめんは、白とんこつと黒とんこつ、かつお節とんこつ、鶏塩らーめんの4種類から選べるほか、麺も太麺と細麺がセレクト可能。筆者は、デフォルトっぽい白とんこつの細麺をチョイス。

卓上の調味料。わさび入りチャーライたれが気になる……

チャーライは大満足! でも……

チャーライ

おっと、ここで「チャーライ」が運ばれた。チャーハンにフワフワ&トロトロの玉子が覆い被さっている。「餡」がかかっていたら、天津チャーハンになるが、その様は中華風のオムライスといったところか。チャーハン好きにはソソられるビジュアルであるのは間違いない。

チャーハンはパラパラ系。フワトロの玉子とよく合う

レンゲで玉子を破って、中のチャーハンをチェックしてみる。具材はチャーシューとネギ。チャーシューライスというだけに細かく刻んだチャーシューがたっぷり入っている。これは旨そうだ! チャーハンと玉子をバランス良くレンゲにのせて、いただきます!

うん、チャーシューの旨みがしっかりときいている。それを玉子に包むことでまろやかな味わいに仕上がっている。こりゃ旨い!

白とんこつらーめん(ミニ)

堪能していたら、らーめんが目の前に。チャーシューとネギのシンプルなとんこつらーめんだ。ミニなので麺の量は1人前の半分、つまり半玉くらい。とんこつの旨みが凝縮されたスープは後を引く。麺もよく絡んでおいしい!

半分ほど食べて、わさび入りチャーライたれで味変

ここで卓上のわさび入りチャーライたれで味変をしてみよう。まずはスプーン1杯分のタレをかけて食べてみたが、いろんな味が混ざり合ってイマイチよくわからない。

そこで、やや多めにかけてみた。おっ、わさび醤油的な味をイメージしていたが、もっと爽やか。チャーシューの旨みとわさびのさっぱりとした味が相まってメチャクチャ旨い!

あえてひとつだけ苦言を呈すると、チャーライのインパクトがあまりにも強すぎて、らーめんの存在が霞んでしまっている。交互に食べても相乗効果は生まれず、チャーライが勝ってしまうのだ。

チャーハン好きの人からすれば、チャーライのような“のせ系チャーハン”は邪道と思うかもしれない。その言い分も理解できるが、チャーシューとネギ、玉子のシンプルなチャーハンよりも、“のせ系”の方が味にバリエーションがつけやすいのは間違いないだろう。

筆者としては、旨ければ何でもアリだと思っている。ただ、チャーハンもラーメンも両方がメインであるべき。チャーラーは単なるセットではなく、ひとつの料理なのである

取材・撮影/永谷正樹

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