『洛北蓮華寺』開放感たっぷりの静謐な庭を眺めて自然と一体になる
大原へ通じる国道にポツンと位置する蓮華寺は、加賀前田家の家老・今枝近義が、応仁の乱後に荒廃していた古寺を現在の場所に移築し、再興したという。
その際に石川丈山、狩野探幽といった当時の文化人が力を貸し、高い美意識を感じさせる空間が造られた。六角形の傘を持つ個性的な灯篭は後に蓮華寺形灯篭として知られ、江戸時代の茶人に好まれた。特に、新緑や紅葉の時期は格別に美しい。
[住所]京都府京都市左京区上高野八幡町1
[電話]075-781-3494
[営業時間]9時~17時
[休日]不定休
[交通]京都バス「上橋」バス停から徒歩約1分
『金福寺』俳人たちが愛した山間の侘びた風情が心に静けさをもたらす
創建は平安時代。江戸時代に松尾芭蕉が住職の鉄舟和尚を訪ねたことから、その住居であった庵を『芭蕉庵』と名付けたという。その後、芭蕉を慕う与謝蕪村が荒廃していた庵を再興し、その様子を『洛東芭蕉庵再興記』として書き残した。
また舟橋聖一の小説『花の生涯』のヒロイン・村山たか女が晩年を過ごしたことでも知られる。京の街並みを一望でき、蕪村の墓が建つ高台からの眺めも趣深い。
[住所]京都府京都市左京区一乗寺才形町20
[電話]075-791-1666
[営業時間]9時~17時(16時半受付終了)
[休日]12月30~31日、1月16~2月末日、8月5日~31日
[交通]京都市営バス「一乗寺下り松町」バス停から徒歩約5分
『雲龍院』悟りの窓に向かい、自身と向き合うひと時を過ごす
雲龍院は御寺泉涌寺の別格本山であり、南北朝時代の創建。現在の建物は江戸時代に再興されたもので、皇室ゆかりの本堂・龍華殿は重要文化財に指定されている。書院にある悟りの間、れんげの間、大輪の間から眺める庭の野趣あふれる景観が見どころだ。
悟りの間には有名な悟りの窓、迷いの窓が並ぶ。奥庭には五色に色づく紅葉が植えられ、毎年11月下旬から12月初旬が見ごろとなる。
[住所]京都府京都市東山区泉涌寺山内町36
[電話]075-541-3916
[営業時間]9時~17時(16時半受付終了)
[休日]行事により拝観中止あり。詳しくはHPを参照
[交通]京都市営バス「泉涌寺道」バス停から徒歩15分
撮影/村川荘兵衛、取材/岡本ジュン
※2022年12月号発売時点の情報です。
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