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固定観念を捨てる第一歩

これは良くない。飼い主としてではなく、人間として良い姿勢とは言えない。

一度、頭でっかちな自分の価値観を捨てるべきだ。

猫と同じ気持ちになって、湯船の水を飲んでみようではないか。

そう思い、思い切って湯船の中の水を、しっかりと口に含んでみた。

ぬるい。

普段、熱々のコーヒーを飲んでいるからか、40℃のお湯はぬるく感じる。

元は水道水なので、特段何か臭かったりする訳でもないのだけれど、なんだか身体が受け付けない。

決して美味しいとは思えないし。

頑張って飲み込もうとしてみても、喉を通らない。

これは、固定観念なのだ。

これは湯船の水だ、と知らない状態でこの水がコップに注がれていれば、きっと何も気にせずに飲み干せるだろう。

それを湯船から直接口を開けて摂取すると、ここまで拒絶反応が出てしまうものか。

なんだか気持ち悪いとまで思う。

結局、水は喉を通らず、ぺえと排水溝に吐き出してしまった。

その横で、まだ猫はガブガブと水を飲んでいる。
そんなものも飲めないのか、と言わんばかりの姿勢だ。

生き物として逞しいのはどちらか、と聞かれたら、間違いなく彼らだろう。

悔しい。

はやく凝り固まった自分の狭い視野を脱して、もっと器の大きい大人に、ひいては湯船の水を飲めるくらい固定観念を捨てられるような人間になりたい。

固定概念のせいで、芸人としての自分の完成形を枠にはめて、自分自身で自分の可能性を潰してしまわないようにしたいと思う。

まずはその第一歩として、私が嫌悪を感じる毎日ウェイウェイ飲み会をして能天気に毎日過ごしている大学生や、無駄に高い寿司や焼き肉の写真をあげている謎のインスタグラマーに対して、もう少し寛容な心でいれるようになろうと思う。

前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。

ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。

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